1月27日にドコモが開催した900iの展示会では、シリーズ5機種の実機が公開されると共に、最新の予定スペックも披露された。各機種のスペックを変更点も併せて見ていこう。
各社大きな変更があったのは、連続待受時間や連続通話時間などバッテリーに関わる部分だ。
端末名 | F900i | N900i | P900i | SH900i | D900i |
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製造メーカー | 富士通 | NEC | パナソニック・モバイル | シャープ | 三菱電機 |
幅×高さ×厚み | 106×50×26 | 102×48×26 | 104×50×24 | 105×51×25 | 106×49×27 |
重さ | 120グラム | 115グラム | 124グラム | 130グラム | 124グラム |
連続通話時間 | 160分 | 140分 | 150分 | 140分以上 | 140分以上 |
連続TV電話時間 | 100分 | 90分 | 90分 | 90分以上 | 90分以上 |
連続待受時間(静止時) | 480時間 | 430時間 | 500時間 | 400時間以上 | 450時間以上 |
連続待受時間(移動時) | 360時間 | 350時間 | 350時間 | 300時間以上 | 350時間以上 |
12月の発表会の段階では(12月18日の記事参照)、いずれのFOMAも連続待受時間(移動時)は300時間だった。今回公開された最新の予定スペックでは350時間前後に伸び、静止時の値は「P900i」で500時間にも達した。従来の「2102Vシリーズ」と比較しても2倍近い値だ。
ここで考慮しなくてはいけないのは、移動時と静止時の意味だ。FOMAから移動時と静止時の連続待受時間が併記されている。それぞれどのような意味なのか。
移動時 | 営業マンのように移動時間が多く、圏外も多いパターン |
静止時 | 通勤や通学のような移動で、圏内が多い |
「新端末の待受時間を詳しく分かりやすく説明するため、両方の値を併記した」とドコモ。ちなみに、50xシリーズや2102Vシリーズなど従来の端末は「移動時」の定義で計測している。いずれも多少の移動を含むパターンだが、圏外にいたり移動が多いほど携帯電話は電池を消耗するため、両者は値が違ってくる。
「ムーバとFOMAでは通信方式が違うので若干の違いはあるが、ムーバとの比較は移動時の値、他キャリアの端末と比較するのは静止時の値」(ドコモ)
ただし、各キャリアとも待受時間をどのようにして計るのかは公開しておらず、どのような環境で計測しているのかも明らかでない。
他キャリアはカタログ掲載値として静止時の値を使っているが、携帯各社で共通の計り方は決まっておらず、正確には比較できない。KDDIは「カタログ上での表記は『連続通話時間および連続待受け時間は、電波を正常に受信できる静止状態での平均的な利用時間です。』とあるが、計測上はむしろその状態よりも厳しい状態(高速移動中など)で計測している」としている。
また、実機で実測する関係上、FOMAのエリアカバー率によっても状況が変わる。当初のFOMAは都内であっても圏外の場所が多く計測値が悪化したが、エリアが整ってくるに連れて値が良くなってきたことも考えられる。
とはいえ、実利用環境で考えれば、900iシリーズの待受時間が大幅に向上しているのは確かだ。そして、発売までにまだまだ伸びる可能性が高い。あるメーカーは、「実機で計測したら予想よりも時間が伸びた。それで(展示会用の)パネルをシールで修正した」と話したほど。三菱電機は「近いうちにはPDC並までいきそうだ」とコメントした。
ではどのようにして連続待受時間が伸びたのか。一つは、通信チップのチューニングだ。
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