1X WINの認知度向上で他社3Gへ対抗〜KDDI

» 2004年01月30日 19時33分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 「12月末時点で、1X WINに4万7000人が加入。使ってもらえるレベルに達していることが確認できたのはポジティブ。ただし認知度が不足している」

 1月30日、2003年度第3四半期(10月−12月)の決算説明会でKDDIの小野寺正社長はこう話した。au事業が好調なKDDIは、通期の予想も増収・増益に上方修正。

 今後の施策としては、パケット定額制サービス「1X WIN」に力を入れ、「他社3G本格化への対抗の柱にしていきたい」(小野寺氏)と期待を込めた。

好調au〜3Qは営業利益4倍

 KDDIの好調を引っ張るのはau事業。BBC&ソリューション事業(固定系)の減収を相殺し、売り上げは対前年同期比0.8%の微増、営業利益は同101.3%増の増益となった。

 上期に引き続き、ドコモを押さえて純増トップシェアを達成し、第3四半期の平均純増シェアは59.9%となっている(1月9日の記事参照)。

 通期予想も増収・増益に上方修正した(上半期決算の記事参照)。売上は当初予想よりも280億円増の2兆8480億円に、営業利益は300億円増の2850億円とした。主な理由は、ARPUや累計契約者数などの主要指標を上方修正したため。ARPUは7320円から7440円に、累計契約者数は1655万人から1682万人に上方修正した。

光プラス、収益への寄与は2年後

 10月10日からスタートし、12月12日にはブロードバンド放送サービスも開始した「光プラス」(2003年10月の記事参照)。現在は、大型マンションを中心に営業しており、「引き合いも増えている。手応えはいい」(小野寺氏)。

 ただし、契約数的にはまだこれからで「収益への寄与は、最低でも3年はかかる」と話した。

インセンティブは3万6000円に抑える

 au事業で重要なのは、販売奨励金とも呼ばれるインセンティブ(コミッション、2003年2月の記事参照)の設定。インセンティブは端末を販売する際に代理店に支払う手数料で、原価6万円の携帯電話が3万円で販売されるカラクリは、この仕組みがあるからだ。

 「コミッションをどうするかが収益には大きくきいてくる」と小野寺氏は話す。同社は総額で今期3830億円をコミッションとして予定しており、収益に直結するだけでなく、端末価格と契約者増数にダイレクトに影響する。

 KDDIは2003年3Qには端末1台当たり4万3000円をインセンティブとして払っていたが、今期は3万6000円前後に抑える戦略を採ってきた(2003年10月の記事参照)。これが収益性の改善にもつながっている。3Qもこの方針は変えない。「3月は最大の商戦期。(しかし)現行のコミッションを継続しつつ、拡販を図りたい」(小野寺氏)

 コミッションを上げなくても他社と戦えると踏んだ理由は、今期、一貫してコミッションを下げつつも純増シェアを増やしてきたからだ。「3Qの純増シェアは59.9%。これはコミッションを増やしたわけではない。着うたやデザイン、パケ割など、他社にないサービスを投入したこと。これがシェアトップの理由」(小野寺氏)

 ドコモが2月投入を予定している新FOMA「900i」についても、「人気のN900iとP900iの発売は3月以降だと聞いている。今の施策を続けていけば当面は十分だ」と余裕を見せた。

ハイエンド層の流入増加〜ARPU増へ

 auの好調さはARPUの増加にも現れた。MOU(ユーザー当たりの月平均通話分数)は178分で横ばいだが、パケット数は455パケット(一人あたり一日)と漸増傾向にある。

 この理由として小野寺氏はARPUの高い層、特に女性がauに乗り換えていることを挙げた。20代のユーザーは携帯利用が多いといわれているが、auの純増構成比を見ると、19歳〜29歳が3Qで25%と急速に増加している。KDDIによると、この世代のARPUはau平均より3割高い。「ハイエンドユーザーが(auに)入ってきているのではないか」と小野寺氏。

 純増数とARPUの両面から好調を維持しているKDDIは、さらにハイエンドユーザーの取り込みに力を入れる。その武器となるのがパケット料定額の「1X WIN」だ(2003年10月の記事参照)。

 定額料金が4200円なのにもかかわらず、「これまで4000円以下しか使っていない人でも加入してくれた。安心感がある(点が評価された)」(小野寺氏)。しかし、そもそもサービスを知らないユーザーが多かったり、販売代理店も「売るのに説明が必要だ」というのが現状。下期はサービス立ち上げ期と位置づけ、顧客認知度向上を最優先課題とする。

 「コミッションをプラスして売りにいくのではなく、端末やサービスを理解してもらえるよう、広告宣伝に力を入れたい。3月末には人口カバー率も全国で70%を予定している。これもテコに拡販し、3月末の45万という当初目標を達成したい」

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