ドコモ定額制「誰かが走った以上、黙ってはいられない」〜立川社長

» 2004年02月27日 17時29分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 「誰かが走った以上、黙っているわけにはいかない」。NTTドコモの立川敬二社長は社長会見で、定額制導入について、前向きに検討している意向を示した。

 KDDIが月額4200円のパケット定額制を導入したことに対し、ドコモも定額制を導入すると各社が報じた(2月23日の記事参照)ことについてのコメント。

 ただし「何もまだ確定したものはない」と慎重な姿勢は崩していない。「(KDDIは)時期尚早で始めた。まだ条件が整っていない状態で定額制を入れるのは、必ずしも適切なタイミングではない」(立川氏)。

定額制によって起こるパラダイムシフトを考慮に入れて検討

 ドコモが定額制に慎重なのは、定額制の導入がこれまでの通信量(トラフィック)に課金するビジネスモデルの転換を迫られるからだ。立川氏は、これを固定系と同じようなパラダイム変換だと述べる。

 「(定額制によって)従来の通信から少し変わるんじゃないか。パラダイムシフトに入ってきたと捉えるべきだろう。本来はもっとゆっくりだと思っていたが、早く仕掛けた人がいた」

 定額制導入により、ARPUビジネスから、FeliCaを使ったEコマースや広告など、サービスによる料金ビジネスへシフトしていく。506iシリーズやFOMAに搭載する予定のFeliCaは(2月19日の記事参照)、展開の第一歩と位置づけられる。

 「従来通信の媒介だけをやってきたが、もはやこのビジネスは通信だけではないところにきている。FOMAを使ったビジネスモデルは従来とは当然変わらざるを得ない」

 単に定額制を導入するのではなく、こうしたパラダイムシフトによるビジネスモデルの変化も考慮した上で、タイミングや詳細を確定させてたいというスタンスだ。「じっくり考えて、すべてのことを包含した形での対応策を考えるべきだろう。現在、検討している」。

 なお2005年早期に予定している、HSDPAについては、「パケット通信の高速化を狙ったもの」とし、定額制との関連を否定した。ただし通信料金については「決めていないが1ビットあたりのコストは安くなる」と、値下げの可能性を示唆した。

 またHSDPAはKDDIのCDMA1X EV-DOに当たる──とした上で、「auの定額制はベストエフォート。通信はベストエフォートだけでいいんですか。ギャランティードという分類もある。使い分けが重要になってくる」と、考え方を示した。

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