インターネット上でタイの携帯電話事情について調べていると、ある商品紹介のページにたどり着く。実は筆者のタイ訪問を決定付けたのは、AirH"のローミングサービス開始でも「V801SA」への機種変更でもない。この商品になんとしても出会いたかったからだ。タイのPCT(PHS)「ウルトラフォン」である。
さっそく現地のガイド氏と打ち合わせをし、ウルトラフォンに出会えるよう手配をお願いした。だが、日本語もでき、日本にも滞在したことのある彼から、あまりいい返事が返ってこない。そもそも、ウルトラマン自体が何か分からないのだという。
まさかそれほど知名度の低いものを商品化するとも思えず、メモ用紙に似顔絵を描いて、スペシウム光線のアクションつきで説明した。(いや、本当は該当のページをプリントして持っていくのを忘れたのがいけないのだが……)。
すると「ああ、それはダッタンマンですね!」とすぐに理解された。英語表記はULTRAMANでも、どうやら現地では名前を変えて放映されていたらしい。ではこれで問題は解決か。いや、ガイド氏はあいかわらず困っている。ダッタンマン(?)の形をした電話など、これまでに見たことがないというのだ。
そこでわれわれはPCTの直営店に向かうことにした。タイのPCTは1社だけが扱っているし、ホームページにも紹介されるくらいだから、ショップの人から話くらいは聞けるだろうと思ったからだ。うまくいけばそこで買えるかもしれない。……だがその期待はすぐに裏切られる。
直営店というより相談カウンターのような店内には、音声端末と通信カード型がそれぞれ1機種ずつ置かれているに過ぎない。棚の片隅に旧機種のモックがあるのみで、今は売っていないという。店員は「来週になれば新製品が入荷します」というが、それがウルトラフォンでないことは明らかだ。
ガイド氏の「では、近くのディーラーに行ってみましょう」という声に気を取り直し、10分ほど歩いてたどり着いたのが大きなモール。コンピュータ専門店を始めとして複数の大型店が併設されているが、目指すショップはその中にあるらしい。だが案内された場所は、広い敷地に小さな店が並ぶ、あたかも“焼け出された秋葉原”という風情。いずれの店も携帯電話やPCTの正規代理店だというが、いわゆる中古端末を中心とした小規模専門店である。
ショーケースの中にはこんなものも。どんなルートで入手したのであろうか |
ショーケースをのぞくとそこにはいろいろ珍しいものが並んでいる。中には日本でも見覚えのあるものもあって、懐かしさすらこみ上げてくる。そんな感慨に浸りながら右隅の方目をやると……。なんとそこにウルトラセブンがいるではないか。ついにわれわれはお宝を探し当てたのだ!
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