総じて彩度が高く鮮やか、AFも効果大〜「P900i」ケータイカメラ画質研究ラボ(3/3 ページ)

» 2004年03月09日 21時57分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
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コントラストが高い硬めの絵作り〜屋内撮影

 次は室内の作例だ。まずは蛍光灯下での撮影から見ていく。

 蛍光灯下の室内で撮影

 やや色かぶりがあり、中間調が少し落ち込んでいてコントラストが高い硬めの絵であるが、色は鮮やかでとてもよく出ている。次は白熱灯下の作例だ。

 左がオートホワイトバランス、右が白熱灯モード

 オートホワイトバランスでは、やや赤というかオレンジにかぶっているが、それはそれで雰囲気があって悪くない。ホワイトバランスを白熱灯に合わせるとちょっと青いくらいに合う。全体の発色はいいだけにもうちょっと中間調が持ち上がって明るい雰囲気になるとよりよかった、という印象だ。この場合には、ちょっと明るさを上げてみるのも手だ。

 続いてマクロモードでの撮影だ。

 マクロモードで撮影

 マクロモードではかなり寄れる上、きちんと真ん中にピントを合わせられるので便利。マクロ時は非常にきれいに撮れる。

 次はロウソク灯下での作例を見ていく。

 左が通常モード、右がナイトモード 

 通常モードの場合は、暗いと増感されるもののシャッタースピードがあまり遅くならないため、どうしてもアンダーになる。それはそれで幻想的だが細かいところは写らない。ナイトモードにすると、増感に加えてスローシャッターが利くのでかなり明るく撮れるが、ノイズが増え、手ぶれしやすくなる(普通に撮ったら手ぶれは必至)。ノイズは多いものの色はしっかり出ていて悪くない出来だ。

 フォトライトを点灯させるとこうなる。

 左はノーマルのフォトライト点灯時、右はフォトライトHighで撮影

 フォトライトは常時点灯の明るさで、Highにするとシャッターを押した瞬間だけより明るく光る仕組み。確かにHighのほうが明るくなっている。彩度が高くて鮮やかなのはいいが、ちょっとノイズが気になる。

 白熱灯下でフォトライトを使って撮影

 最後に白熱灯のみの明るいとはいえない部屋でフォトライトを使ってネコを撮ってみた。フォトライトのおかげで目は光っているがHighにしてもちょっと離れるとつらいのが分かる。

総じて彩度が高く鮮やかな画質

 P900iはQCIFサイズ(172×144ピクセル)の動画モードを持っている。右側面にあるモードボタンを押すと撮影モードが静止画から連写、動画と切り替わる。

 ただこの動画にはちょっとクセがある。miniSDカードに記録する時はASFファイル(WindowsMediaのファイル)、本体内へ記録するときは3GPPファイル(3GP規格でFOMAの標準動画フォーマット)と書き込む先でフォーマットが変わる(2002年12月の記事参照)。

 パナソニックの他のMPEG-4再生機器がMPEG-4フォーマットのASFファイルを標準にしているので、こうした仕様になっていると思われるが、それなら明示的に3GPにするかASFにするか選べるようになっているべきだったと思う。かなり紛らわしい感は否めない。

 P900iのカメラは、総じて彩度が高く鮮やかだが、もう少し中間調を持ち上げてると爽やかになってよかったかとも思う。AFの効果は近距離撮影において絶大で、写り自体は悪くないカメラだ。

 ちなみに「P505iS」(2003年11月の記事参照)と絵作りの方向は似ているが、P505iSのほうがディテールがシャープだった気もする。個体差なのか設計上の違いなのかは不明だ。

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