FOMAの900iシリーズは、いずれもメガピクセル以上のカメラ機能を備えている。富士通製の「F900i」(2月12日の記事参照)に続いて、パナソニック モバイルコミュニケーションズ製「P900i」(3月3日の記事参照)の撮影画質を見ていこう。
P900iは(特集記事参照)、液晶部を開いて回転させるムービースタイルの前モデル「P2102V」のような凝ったデザインではない(2003年3月の記事参照)。折りたたみ型のオーソドックスなスタイルだ。アウトカメラに128万画素のCCD、インカメラに自分撮りやテレビ電話用の11万画素CMOSを装備している。
閉じた状態はフラットですっきりしていてなかなかカッコいい。中央部に目玉のようなレンズがあり、その右下にフォトライトがある。レンズの下が少し黒くなっているのは、この裏にLEDがあって着信時などに光るため。サブ液晶モニタは撮影時は使わない |
アウトカメラはオートフォーカス(AF)機能付きで、中央のヒンジ寄りに付いている。レンズはマルチコーティングされた3枚の非球面レンズを採用するなど、画質に気を配っているのが分かる。レンズはF2.8と明るく、さらに自動絞り切り替え機能で一段暗い絞りにもなる(低価格のデジカメでは2段切替絞りはみられるが、ケータイでは絞り値固定の製品がほとんどで、切り替え式は珍しい)。
ただ絞り込んだ場合のF値は公表されていない。画像データのEXIF情報にも書かれておらず、不明なのがちょっと残念。P900iで撮影した画像には細かい撮影情報が全く書かれておらず、シャッタースピードやISO感度も分からない。
カメラモードに入るには、方向キーの下にあるオートフォーカスボタン(AFボタン)か、テレビ電話ボタンの長押しが一番簡単。押しやすさからいえばAFボタンで起動するのがいいだろう。起動にかかる時間は約2〜3秒とけっこう速い。
撮影前に、まずカメラを設定しよう。ここではメガピクセルカメラとして使う際の話に終始するが、それにはまず画像サイズを1280×960ピクセルにすること。続いて「スナップ制限」をチェック。P900iでは画質設定の代わりに「メール添付モード」と「制限なし」モード(SXGAモード時)を持っている。メール添付モードにすると、FOMAで対応する他キャリア端末やPC宛てに添付ファイルとして送れる100Kバイトを越えないように圧縮・保存されるのだ。ただしSXGAでは画質がかなり落ちるので、画質を気にするなら「制限なし」にしたほうがいい。
メガピクセルカメラ時は画像が横長になるが、ディスプレイ上では縦長のモニタの上半分くらいに横長の画面が表示される。多くのメガピクセル携帯では、液晶モニタをフルスクリーンで使いたいためか、端末を横にして撮らなければならないこともあるが、P900iは携帯を縦に構えたまま横位置の撮影が可能だ。
その分プレビューの表示範囲は狭くなるが、空いたスペースにさまざまな撮影情報が表示されるため、かえって見やすいかもしれない。個人的にはこれは良いアプローチだと思う。
撮影は方向キーの中央にある決定ボタンを押してもいいが、それだとAFが働かない。その下にあるAFボタンを使えばAF機能を使った撮影ができる。AFボタンは半押しに対応しており、軽く押すとAFが動作してピント合わせを開始する。中央にあるAF枠が点線から緑色になったところでAFボタンを押し込むとシャッターが切られる。
ここで合ったAFはボタンから指を離しても2秒間保持されるので、AFボタンをAF専用に使い、これでピントを合わせてから、決定ボタンでシャッターを切ることもできる。ただAFボタンを半押ししたままでも2秒たつとAFがキャンセルされてしまうのは気になる。「指を離したら2秒保持、押したままならそのまま」というのが正しいと思うのだが、ちょっと疑問な部分だ。
ただ多くのAF機能付きメガピクセル携帯が、AFボタンとシャッターボタンを別にするか、側面に半押し対応のシャッターを付ける中、ダイヤルキー側のソフトキーを半押し仕様にしたのは面白い。
中央部にAFと書いてあるのがAFボタン。半押しするとピントが合い、最後まで押し込むと撮影できる。ピントを合わせたら指をいったん離し、決定ボタンで撮影するという手もある。数字キーの[1]から[7]にはショートカットが割り当てられている |
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