コンセプトは“Life goes Mobile”〜Nokia、カメラとゲームに注力CeBIT 2004

» 2004年03月18日 18時29分 公開
[末岡洋子,ITmedia]

 3月18日、独ハノーバーで世界最大規模のITイベント「CeBIT 2004」が開幕した。フィンランドの携帯端末最大手Nokiaは開幕前日の17日、スタイリッシュなメガピクセル端末「Nokia 7610」や、初のGSM携帯向けRFIDキットなどを発表し、音声だけでなく生活そのものがモバイルになる“Life goes Mobile”コンセプトを強調した。

 「7610」は、同社製品としては初めてメガピクセルカメラを搭載。薄さ18.7ミリ、重さ118グラムと軽量化も図られた。色は、黒/ルビー、白/白、黒/黒の3種類で、ファッション性を重視した外観となっている。ターゲットは、流行に敏感な若者層。17日の発表会では、同端末を手にしたモデルが登場し、ちょっとしたファッションショーも行われた。

 「7610」の最大の特徴はイメージング機能。欧州でもカメラ付き携帯電話が少しずつ主流になりつつあり、同社の独自調査によると、カメラ付き端末ユーザーは平均して週に10枚の写真を撮っているという。同社のイメージング・ビジネス・ユニット上席副社長ユハ・プトキランタ氏は、「ユーザーは、単に写真を撮って共有するだけでなく、保存や加工などそれから先を望んでいる」と述べる。そして新製品では、単にメガピクセルカメラによる高品質を実現しているだけでなく、印刷や加工などのイメージングソリューションを充実させた点や使いやすさも強調した。

 印刷ソリューションでは、撮った画像をKodakやHewlet-Pakkardなど提携会社のオンラインキオスクやプリンタとBluetooth経由で通信し、直接プリントアウトできる。また、「Mobile Director」アプリケーションでは、カメラを使って撮影した動画に音楽や文字を入れて、10分程度のオリジナル動画クリップを作成可能だ。「Lifeglog」アプリケーションでは、画像や動画、メッセージを組み合わせたデジタル日記を自動的に作成できる。販売パッケージには、Adobeの「Photoshop Album Starter Edition」もバンドルされるという。

 「7610」のメモリは72Mバイトで、MMCカードスロットを備える。電池持続時間は、スタンバイ状態で250時間、通話状態で3時間。2004年第2四半期に発売予定で、想定価格は500ユーロ。

 また、同社はイメージング強化端末として、20GバイトのHDDを備えたデジタル画像格納端末「Nokia Imaging Album」と、画像をテレビやPC、ビデオで閲覧・共有できる「Nokia Imaging Viewer SU-5」も発表した。いずれもリモコン付き。Imaging Albumは今年第3四半期、Imaging Viewerは今年第2四半期に販売開始する。

好調「N-Gage」に、さらにてこ入れ

 コンシューマ分野でもう1つのテーマとなったのは、モバイルゲーム端末「N-Gage」だ。2003年10月にリリースされた同端末は、これまで60万台以上販売されたという。ダウンロード数は、あるゲーム業界サイト(gamesindustry.biz)でモバイル端末としては最多を記録するなど、好成績を収めている。

 この日は、セガの「Pocket Kingdom:Own The World」のN-Gage対応を発表。MMORPG(Massively Multiplayer Online Role Playing Game)と呼ばれる、数千人が同時プレイする種類のゲームがモバイルでも可能となる。また、N-Gage限定ゲームとして「Ashen」も発表。同社によると、今年末までにゲーム数は50以上になる見込みで、N-Gage限定ゲームも増やしていくという。ちなみに、N-Gage端末での3Gサポートは現時点では未定。

同社ゲーム・ビジネス・ユニットのディレクター、パシ・ポロネン氏。N-Gageのこれまでの経過を「予想通り。正しい方向性にある」と自信を見せた

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