3月17日から18日にかけて、京都で開催されていた「ケータイ国際フォーラム」。会場では、携帯にまつわるさまざまな展示が行われていた。中でもユニークさで目を引いたものを、まとめて紹介しよう。
松下電器産業は、海外向けのGSM端末を展示していた。全体に小さくカラフルで、おもちゃの端末のよう。
“ケータイ国際フォーラム”という名前が付いていることもあって、海外の製品を展示したのだろうが、こう並べられると「国内では販売しないのか」と聞いてみたくなる。これに対して説明員の答えは、「このスペックで販売することは簡単だが……」。
現状では、各メーカーとも携帯端末の高機能化を競い合っている状況。その中で、「低スペックでデザインが奇抜」な端末をリリースすることは、リスキーだと説明した。
通信総合研究所は、「ウェアラブルアンテナ」なるものを展示していた。
アンテナといえば、通常は棒状のものを思い浮かべがちだが、平面アンテナ(パッチアンテナ)と呼ばれるものも存在する。「受信したい周波数帯によって、直径の大きさが変わる。ギガHz帯の信号なら、この大きさで受信可能だ」(説明員)。
一般的なパッチアンテナは金属製だが、これを布状の素材にしたのがポイント。実用化する際は、ここにケーブルを接続して、端末に接続することが考えられる。
もっともこのアンテナ、「洗濯に耐えるかどうか」が当面の課題とのことだ。
産業技術総合研究所では、触覚でナビゲーションするシステムのデモを行っていた。
写真の箱を手に持っていると、突然右側にグイ! と傾く力が働いた。と思うと、今度は左にグイ! と引っ張られる。3軸の直交座標に配置されたモーターによって、任意の方向にトルク(回転力)を提示しているのだ。力を合成することで、斜め方向にトルクを提示することも可能。原理的には、無重力空間での筋肉トレーニングなどに利用されている技術と同じものだという。
これが、携帯電話とどう関係するのか。「例えば、EZナビウォークなどと連携して、進むべき方向にトルクを提示することが考えられる」(説明員)。視聴覚障害者などに、触覚を用いたナビゲーションが行える。
あるいは、釣りゲームなどで魚が暴れる様子を表現するのにも使える。もっとも、現状ではサイズ、重さの点で、まだまだ改善の余地がありそうだ。
最後に、実際に販売している製品で、個人的に面白いと思ったものを1つ。島津アドコム製の「いつでもミラー」だ。
シートを携帯電話のディスプレイに貼り付ければ、画面が“鏡”になるという製品。それでいて、バックライトがオンになれば、表示内容がきちんと透けて見える。東急ハンズなどで販売しており、一部では話題になっていたようだが、実際に見てみるとちょっと感心する。
横からの、のぞき見防止にも効果があるとのこと。島津アドコムの取締役統括部長、鈴木純氏は「シートにURLなどをプリントして、ノベルティグッズとしても利用できる。既に、67万枚の出荷実績がある」と話していた。
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