イー・アクセスもTD-SCDMA(MC)実験、5月15日頃から

» 2004年04月21日 21時26分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 イー・アクセスは5月15日頃から、都内でTD-SCDMA(MC)の実験を開始すると発表した。本サービス展開を目指す2010〜2025MHz帯でなく、2000〜2005MHz帯で実験を行う。

Photo イー・アクセスCOOの種野晴夫氏。「アンテナは、本社ビル屋上に設置する」

 同社は以前からTD-SCDMA(MC)方式の採用を表明しており(2月5日の記事参照)、予備実験免許の申請も行っていた。しかし、TD-CDMA用に割り当てられると見られる2010〜2025MHz帯をめぐっては、すでにアイピーモバイルが実験を行っており(2003年10月29日の記事参照)、相互干渉するおそれがあった。

 このため、イー・アクセス側は当初2000〜2005MHz帯で実験を開始し、必要なデータを揃えることとなった。「想定していた帯域を利用したかったのは事実だが、帯域が違うとはいえ、それほど重大な影響をおよぼすことはないだろう」(イー・アクセスの新規事業企画本部、諸橋知雄氏)。TD-CDMAの技術検討を行う「IMT-2000技術調査方策作業班」では、帯域が異なっても同等のデータとして扱われるという。

 実験は当初、虎ノ門にあるイー・アクセス本社ビルで開始し、その後都内3局に拡大する予定。周波数帯も、当初5MHz幅で始めるが15MHzへと拡張を検討する。

 設置工事が完了した後に落成検査を受け、本免許の交付を受けた後「5月15日頃から実験開始を予定する」(同社)。実験用基地局とPCカード型端末の間で、電波特性評価やスループット特性評価などを行うという。機器は既に調整されており、米国から出荷済みとなっている。

Photo TD-SCDMA(MC)のスマートアンテナ(クリックで拡大)

 実証実験の期間は、およそ1年になる予定。一般モニターへの開放や、モニター数については「現時点で未定」とされた。

 なお、会場では併せてTD-SCDMA(MC)の標準化動向(2月5日の記事参照)も明らかになった。米国のT1P1で進められていた標準化作業は「レターバロット(郵便投票)が2月に終了し、特に大きなリクエストもないと聞いている。事実上標準化は確定しており、5月会合にて最終承認される予定だ」(諸橋氏)。

 T1P1での標準化が済めば、6、7月にはANSIでも標準化される見込みという。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年12月05日 更新
  1. 飲食店でのスマホ注文に物議、LINEの連携必須に批判も 「客のリソースにただ乗りしないでほしい」 (2025年12月04日)
  2. 「楽天ポイント」と「楽天キャッシュ」は何が違う? 使い分けのポイントを解説 (2025年12月03日)
  3. 「スマホ新法」施行前にKDDIが“重要案内” 「Webブラウザ」と「検索」選択の具体手順を公開 (2025年12月04日)
  4. 楽天ペイと楽天ポイントのキャンペーンまとめ【12月3日最新版】 1万〜3万ポイント還元のお得な施策あり (2025年12月03日)
  5. 三つ折りスマホ「Galaxy Z TriFold」の実機を触ってみた 開けば10型タブレット、価格は約38万円 (2025年12月04日)
  6. 楽天の2年間データ使い放題「バラマキ端末」を入手――楽天モバイル、年内1000万契約達成は確実か (2025年11月30日)
  7. サイゼリヤの“注文アプリ”が賛否を呼ぶ理由──「使いやすい」「紙メニュー前提」など多様な意見 (2025年11月23日)
  8. Z世代で“友人のInstagramアカウント乗っ取り”が流行? いたずらで済まない不正アクセス禁止法違反 保護者が注意すべきこと (2025年12月04日)
  9. NTT系初の耳をふさがない集音器「cocoe Ear」発表 補聴器でない理由、AirPods Proとの違いは? (2025年12月03日)
  10. 鉛筆デザインのiPad用スタイラスペン「Nelna Pencil」発売 物理ボタンに9機能を設定可能 (2025年12月03日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー