国別に見る、携帯電話サービスの現状:欧州携帯市場の勢力図(最終回)(1/2 ページ)

» 2004年05月26日 19時38分 公開
[末岡洋子,ITmedia]

 欧州の携帯電話事情を知るには、さまざまな観点から市場を見る必要がある。ほとんどがGSM圏であり、多くの国が陸続きであることから、国際ローミングに関わる連携やアライアンス、オペレータのインフラ事情、提供するサービスなど、市場を左右する要素が多岐にわたるからだ。

 今回は、国や地域別に通信オペレータのシェアやサービスの現状を見ていく。

 なお、各国オペレータの加入者数は、EMC World Cellular Data Baseの2004年第1四半期分の資料に基づいている。

ドイツ

  • ドイツのシェアトップ3
順位 オペレータ名 加入者数
1位 T-Mobile 2668万1000
2位 Vodafone D2 2330万5000
3位 E-Plus(KPN Mobile100%) 760万3200

 欧州最大規模の携帯電話市場であり、欧州オペレータのシェア2番手、T-Mobileの本拠地となるのがドイツだ。Vodafone D2は2位につけている。Vodafoneはここ1〜2年シェア減が指摘されているが、今年に入り改善されつつあるようだ。同じく英勢のmmO2の善戦も目立つ。携帯電話の普及率は70%を上回る程度だ。

 ドイツ市場は3Gサービスの激戦区でもある。Vodafoneがビジネス及びコンシューマー向け3Gの最初の市場に選んだことから、最大のライバルT-Mobile、mmO2やE-Plus(KPN)も3G開始を相次いで発表(5月24日の記事参照)。大手オペレータが最初にコンシューマ向け3Gを提供する市場になっている。

イギリス

  • イギリスのシェアトップ3
順位 オペレータ名 加入者数
1位 T-Mobile 1434万3000
2位 Orange 1382万
3位 O2 1335万4400

 4大オペレーターが接戦を繰り広げているイギリス携帯電話市場は、欧州では最初に3Gサービスが導入された国としても注目を集めている。携帯電話の普及率は85%弱といわれ、加入者数で見ると、VodafoneとmmO2の本拠地であるにもかかわらず、仏Orangeがトップシェアを維持してきた。ただし2004年には独T-Mobileが首位の座を奪っている。

 またイギリスは欧州に多い、1位固定電話系、2位Vodafone系、3位自国新興オペレータというシェアのパターンに当てはまらないのも特徴といえるだろう。

 英市場で注目されるのは、ドコモが20%出資していることで注目されるHutchison 3 UKの動きだ。2003年3月3日に3Gで新規参入したHutchison 3 UKは、開始から数カ月間は加入者が伸びず、2003年末の加入者数は約21万1000人。サービス開始時の100万人という目標は達成できなかった。

 しかし2003年末のクリスマス商戦以降、加入者は大幅に増加した。技術的な問題の解消や端末ラインアップの拡充に加え、サービス面でも人気コンテンツの投入や低価格通話プランの導入、期間限定の無償テレビ電話などを行ったことが加入者増に結びついた。

 2004年2月末には、3Gのプリペイド料金プランを発表した。プリペイド比率が60〜70%と比較的高い英国市場で、これが加入者増に結びつくかが注目されている。

 同社の発表によると、データ通信が収益に占める割合は14%。これは2.5GのmmO2やVodafoneより低い数値だ。今後、安い通話料金にひかれて加入したユーザーをいかに啓蒙するかが課題となるだろう。

 なおHutchison 3 UKはドコモの出資を受けていることから、イギリスでiモードを提供することも予想されるが、現状では提供の意思を明確に発表していない。

 英国には、他社のネットワークを利用するオペレータ“MVNO(Mobile Virtual Network Operator)”もある。現在、VirginやTescoなどが展開しており、ブランド力と低価格路線で顧客を集めつつある。

フランス

  • フランスのシェアトップ3
順位 オペレータ名 加入者数
1位 Orange France 1919万7000
2位 SFR(英Vodafone43.9%) 1433万1950
3位 Bouygues Telecom 652万2050

 France Telecom傘下のOrangeが50%弱のシェアを握り、2位にVodafoneが出資参加するSFR(出資比率は43.9%)、3位に地元Bouygues Telecomという、欧州市場の典型的なパターン。プリペイドが4割を占め、携帯電話の普及率は68%程度と西欧市場では低めだ。

 3位のBouyguesはNTTドコモと提携し、2002年秋からiモードを展開している(2002年11月の記事参照)。加入者は50万人、ドコモにとっては、現在欧州最大のiモード市場である。

 3Gサービスは、Orangeが一部地域でトライアルを開始、今年後半にも本サービスの提供を予定している。一方、フランス市場で3G一番乗りを目指すシェア2番手のSFRは、7月にも3Gを導入する予定だ。

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