WiMAXの可能性を訴える機器ベンダー

» 2004年06月03日 10時01分 公開
[IDG Japan]
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 普及途上のWiMAXをはじめ、広帯域無線サービスは大きな成長の可能性を秘めるが、大規模に展開されるにはもう数年かかるだろう――。無線ブロードバンド機器ベンダーは6月2日、米首都ワシントンで開催のWireless Communications Associationのカンファレンスで、このような見方を示した。

 Wi-Fiの通信範囲が数百メートルであるのに対し、WiMAX(802.16)は数十キロの範囲で通信できるとされている。機器ベンダーはこのカンファレンスのフォーラムで、2006年にはWiMAXを顧客向けに提供できるだろうと述べた。

 このフォーラムでは、5人のパネリストが無線ブロードバンドから得られる利益の規模について議論したが、その成長見通しについて、ほとんど具体的な予測を示すことはなかった。ただし、無線機器ベンダーAlvarionのズビ・スロニムスキーCEOは、話半分に聞いてほしいとしながらも、無線ブロードバンド機器の市場規模は2003年の3億500万ドルから、2008年には29億ドルに拡大するとの予想を披露した。

 しかしながら、一部のアナリストはWiMAXが過大評価されていると疑問を突き付けている。WiMAXはケーブルモデムやDSLの代替を狙っているようだが、WiMAXが登場するころには、ブロードバンドを求めるほとんどのユーザーは、既にブロードバンドを手にしているだろうとの指摘がある。

 こうした見方に対して、Alcatelのモバイルコミュニケーショングループでマーケティングディレクターを務めるフランソワ・カドレル氏は、WiMAXはDSLやケーブルモデルと競合する見込みは少なく、PCやPDAのユーザーがインターネット接続に使う選択肢の一つになるだろうと主張した。

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