イー・アクセス、TD-SCDMA(MC)の実測データを公開

» 2004年06月14日 16時08分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 イー・アクセスは6月14日、実験を進めている次世代モバイルブロードバンド技術「TD-SCDMA(MC)」の実測データを公開した。1基地局あたりの収容能力を示す“セクタスループット”は、基地局から2キロ地点で4.65Mbpsという結果が出た。

 イー・アクセスは5月28日に実験局本免許を取得しており(4月21日の記事参照)同社ビル屋上に基地局を設置して実験を行っている。今回、同社から2キロ程度離れた三田2丁目付近に3端末を用意し、定点スループット測定を行った。結果は以下のとおり。

端末 端末1 端末2 端末3 セクタスループット
下り平均 1.65Mbps 2.03Mbps 0.964Mbps 4.65Mbps
 3台で通信をシェアしても、1台あたり1Mbps程度の速度を実現していることが分かる。もちろん、接続台数が多ければ1台あたりの速度は下がる

 なお、TD-CDMA方式は上り:下りの比率を変更することが可能だが(2月10日の記事参照)、今回は上り:下りを1:1に設定している。

Photo 会場で通信をしていた試験端末。モデムから飛び出ている部分がアンテナになる
photo 第3者のサイトで速度を計測したところ。平均速度はもちろん、継続して高スループットが出ていることにも注目してほしいという

2キロ地点で「理論値の86%」

 イー・アクセスの新規事業企画部、諸橋知雄本部長は、この数値に満足していると話す。

Photo

 「(技術上)一番気になるのは、セクタスループット。理論上は最大セクタスループットが5.4Mbpsだが、アンテナからある程度離れた場所でも平均セクタスループットが86%に達している。非常に良好な数字だ」

 同氏はまた、IMT2000技術調査作業班の資料によれば、ソフトバンクなどが採用する可能性があるとされるTD-CDMAのセクタスループットは「理論上1.5Mbps。いかにTD-SCDMA(MC)が技術上優位であるかが分かると思う」と付け加えた。

Photo 同社ビル屋上に取り付けられたアンテナ。南西に向かって取り付けられており、120度をカバーする。「さほど高いビルではないので、条件としてベストではない」(イー・アクセス)
Photo 「モバイルIP電話」を意識したのか、NetMeetingを使った音声通話のデモも行われた。今後は複数基地局を用意して、ハンドオーバーなどの実験も行っていくという

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