ちょっと脱力してしまうのが、指輪型スピーカーだ。これは腕時計型携帯電話の機動性を損ねないために考えられた。カールコードの先には指輪の形状をしたスピーカーがついており、指にはめて使用する。
問題となるのは実際に使っている姿だ。顔の前で左手をクロスさせるようにし、指につけた指輪スピーカーを右耳にあてるその姿は、どうみても携帯電話を使っているようには見えない。メーカーとしては真面目に作っているのだろうが、実際に人前で使用する姿を想像すると、使うのをためらってしまう。
ディスプレイは128x112ピクセル、256色のSTN液晶で通常使う分には十分なクォリティーだ。各種操作は、バンド部分の数字キーで文字を入力し、本体の十字キーと5つのソフトキーで操作を行う。
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内部メニューは7つ(Utility/Schedule/Network/Sound/Display/Use Info/Setting)に別れており、タブ式で切り替える。
内蔵アプリには「World Time」や「Unit Change」など、ワールドワイドでの利用を考えられたものや、「Voice Recorder」や「Schedule」などPIM的なものもある。また内蔵ゲームの「2002 Soccer」はチープな作りながらも結構楽しめる。メッセージは標準でSMSに対応。面白いのは中国語フォントに日本語の仮名が入っているため、日本語のSMSも一部文字化けしながらも表示が可能できてしまうこと。また中国で購入した商品なので、中国連通(チャイナユニコム)のWebサービスやEmailサービスに対応したアプリケーションもインストールされている。
またカラー液晶を生かすアイテムとして、30万画素の外付けカメラも付属している。これをF88本体に装着すると合体ロボ的な雰囲気となり、さらに外観は怪しいものとなる。ここまでくるとこれが携帯電話には見えてこないだろう。当然のことながら「さりげなくカメラを装着して隠し撮り」は無理だ。
F88は機能も豊富で使っていて楽しい。しかし日常的に使うには液晶部分がはみ出ていない、まさに腕時計のようなサイズを求めたい。またカメラも内蔵してほしいものだ。一方、R-UIMカードスロットを搭載し、カードの交換で気軽に端末を使いまわしできることは大きく評価できる。
海外ではSamsungやSiemensなど大手メーカーも腕時計型携帯電話を開発しているようだが、未だコンセプトモデル止まり。Telsonのような中規模のメーカーが先んじて腕時計型を商品化したのは興味深い。後継機の開発が期待される。
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