覚張氏は、iモードFeliCaが普及すれば「チケット以外のマーケットもできるかも」と話す。
カギを握るのは、“クーポン”だ。例えば、ぴあでチケットをダウンロードしたユーザーに対し、飲食店の割引クーポンを配信することが考えられる。
「何月何日、ヤクルトホールのイベントのチケットを予約したユーザーは、その日その場所に現れる可能性が高い。このユーザーに新橋周辺の店のクーポンを付ければ、『アフターでどこか飲みにいこうか』となったときに『じゃあここがいいよね』となる」
そもそも、クーポンの電子化は店側にもメリットが大きい。
紙のクーポンや、「携帯画面に表示させる」タイプのクーポンは、利用履歴が店側に残らない。極論すれば、バイトの店員が“クーポン割引をした”ことにして、差額を懐にいれても分からない。店側のFeliCa端末でデータを読み取る方式にすれば、こうしたトラブルも起こらない。
ぴあでは、NECのソフトウェア「LightHolder」を搭載したクーポン読み取り端末を設置し、クーポン発行の試験サービスも展開している。
覚張氏は、レストラン、駐車場、グッズショップといった“ビフォア/アフターイベント”のクーポンを配信することで、ぴあという企業に戦略的拡がりを持たせていきたいという。
「行動の連鎖が起こり、サービスがつながっていく。こうした複数サービスの“トリガー”の役を果たせるプレイヤーは、限られてくる」
同氏は、電子チケットと電子クーポンのサービスがある中で、「(プレビューサービスで提供していて)モチベーションが高いのは、どちらかというとクーポン」――とまで話した。
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