見えた、FeliCa携帯の本サービス(1/2 ページ)

» 2004年06月16日 23時59分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 NTTドコモが描くFeliCa携帯の姿が、明らかになった。ドコモがiモードFeliCa端末を発表した(6月16日の記事参照)のに伴い、多くの企業がFeliCaサービスの参入を発表した。各企業のサービス内容と開始時期はこちらにまとめてあるので、別途参照してほしい。

 別記事でも触れたとおり、iモードFeliCaを使える場所にはFeliCaマークが表示されている。端末のFeliCaチップが入っている場所にも同じマークが記載されているので、「マークとマークを合わせると、何かのサービスが使える」(ドコモ)というイメージだ。

PHoto 「このFeliCaプラットフォームマークのあるところで、おサイフケータイ=iモードFeliCaが使える!」

 FeliCa携帯で、日常生活はどう変わるのか。会場でいくつかのサービスを試すことができたので、目についたものを紹介しよう。

am/pmはEdy決済+スクラッチゲーム

 エーエム・ピーエム・ジャパンは全国1400店舗の「am/pm」をFeliCa携帯に対応させる。具体的には、端末にプリインストールされている電子マネー「Edy」での支払いが可能になる。

Photo コンビニで、携帯を財布がわりにする。ドコモのiモード企画部長、夏野剛氏も「いちばんイメージしやすいのはコンビニでの利用だろう。携帯を持っていれば財布を忘れた……という時にも困らない」とコメント

 エーエム・ピーエム・ジャパンは、「(ユーザーがFeliCaで決済すれば)カウンターで34〜5秒かかっていた25〜6秒に短縮できる。つり銭もいらない」と導入のメリットを話す。

 am/pmではさらに、iモードFeliCaと連動した販促サービスも提供。「club ap」に登録して、Edyで500円以上の買い物をするごとに、iアプリ上でスクラッチゲームに挑戦できる。ここで当たりが出れば着信メロディをユーザーにプレゼントする仕組みだ。

 club apアプリでは、Edyによる購買でキャラクターが育つ、といった育成ゲームも予定しているという。携帯のインタフェースを利用し、展開中のキャンペーンや新商品も告知していきたいとした。

PHoto Edy決済の、am/pm自販機。携帯をかざせば購入できる

Edy以外の電子マネーも

 電子マネーといえばEdy、と考えがちだが、会場ではEdy以外の決済方法も展示されていた。ソニーファイナンスインターナショナルは、携帯からクレジットカード決済を行うリーダ/ライタを出展した。

Photo 参考出展の「店頭でのクレジットカード決済」。見た目はEdyの決済システムと変わらない

 Edyの決済では、ユーザーはあらかじめ電子マネーを端末に入れておき、それによって商品の購入などを行う。しかし、クレジット決済ではもっとダイレクトに、「携帯電話をかざすことでクレジットのお金が落ちる」仕組みになっている。

 「Edyとどう棲み分けるかは、今後検討していく。個人的には、何千円以上の比較的高額な決済では、クレジットカードを用いるイメージだ」(説明員)

 なお、これら“非接触”でリーダーに携帯をかざす方式以外にも電子マネーの利用法はある。同じくソニーファイナンスインターナショナルが展示していた、「eLIO」(3月30日の記事参照)を利用したネットショッピング方式がそれだ。カタログなどから専用コードを読み取って、商品を購入する。同社はこれを「eLIOオーダー」と呼んでいる。

Photo この方式では、QRコードのURLから購入ページへジャンプする。デモでは、「モノ・マガジン」にQRコードを貼り付けたダミー雑誌を利用していた

 一見、FeliCa技術と関係なさそうに見えるが、非接触ICチップを導入することで偽造・改ざんのリスクが減ったことで導入できたサービス。決済時のデータ伝送には、チップ内に格納された独自IDを利用している。

Photo 数量や支払い方法などを選択の上、決定ボタンを押せば、あらかじめ登録した口座から代金が引き落とされる

ゲームセンターでFeliCa

 セガは、FeliCa携帯を活用できるゲームセンター機器のデモを行っていた。プレイ料金をEdyで支払えるというものだ。

 既に、東京都大崎にある「クラブ セガ 大崎」でFeliCa対応ゲーム機器が稼動している。7月2日には大阪道頓堀に「サミー戎プラザ」がオープンするが、ここでも全館でEdyが使える予定。こうした場所で“FeliCa携帯でゲーム”が実現する。

photo コインを入れる代わりに、携帯をかざす。「コンティニュー? 9、8、7……とカウントダウンが始まったとき、“コインがない”と慌てる必要もない」(ドコモの夏野氏)

 am/pm同様、販促をねらったアプリも作り込まれている。ゲームセンターの利用で貯めた「セガポイント」は、待ち受け画面などに交換することが可能。ポイントは、専用iアプリ「SEGAeMEDAL」でモバイルゲームを遊ぶための、「eMEDAL」と交換することもできる。

Photo セガポイントの残高は、携帯画面上で確認できる。リアルのゲーム機器をプレイするのに利用できるほか、バーチャルのiアプリをプレイするのにも使える
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