ソフトバンクが「SoftBank Free Style」でオープン市場に挑む理由 キャリアモデルの“登竜門”になるか?(1/3 ページ)

» 2026年07月07日 16時30分 公開
[石野純也,ITmedia]
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 ソフトバンクは、メーカーが自身で開拓した販路で展開するオープンマーケットモデル(SIMフリーモデル)のスマホを、「SoftBank Free Style」として展開している。この枠組みは、2025年11月に始まったもので、当初は「Xiaomi 15T」シリーズだけだったが、その後、順次ラインアップを拡大している。

 現在では、カメラ機能に特化した「Xiaomi 17 Ultra」や、水冷&空冷両対応のゲーミングスマホ「REDMAGIC 11 Pro」、OPPOのハイエンドモデルである「OPPO Find X9」などを取り扱っている。そのバリエーションは、ソフトバンクのキャリアモデルと比べても個性的だ。PayPayポイントの還元が受けられるのはもちろん、ソフトバンク回線があれば分割払いができるのも特徴だ。

SoftBank Free Style ソフトバンクでオープン市場向けのモデルを取り扱う「SoftBank Free Style」

 とはいえ、ソフトバンクはキャリアモデルのラインアップが充実しており、iPhone、Galaxy、Pixel、Xperiaなどの主要ブランドは入手できる。あえてオープンマーケットモデルの販売を手掛ける狙いはどこにあるのか。ソフトバンクでFree Styleを担当するモバイル推進事業本部 パートナービジネス統括部 統括部長の牛嶋一智氏と、同部パートナービジネス2部 部長の黒澤達則氏、同部パートナービジネス2部 プランニング課の二丸圭太氏に話を聞いた。

多様化するスマホ選びのニーズに応える形で始動

牛嶋一智 牛嶋一智氏

―― そもそもの話ですが、なぜソフトバンクがオープンマーケット版の端末を取り扱い始めたのでしょうか。

牛嶋氏 昨今、フォルダブルスマホなどが出て、スマホの選び方が多様化しています。そのニーズには応えたいという思いがずっとありました。一方の課題として、われわれが採用するモデル数には限界があり、特徴ある端末を全て採用するのは難しかった。この課題を解決しながら、ユーザーのニーズをカバーするにはどうすればいいのかを考え、SIMフリーモデルを販売するチャネルを立ち上げたら面白いという結論に至りました。

―― キャリアモデルとしては扱いづらい端末を販売するための枠組みということですね。

牛嶋氏 私はFree Styleを責任を持ってやりつつ、チームではキャリアモデルの採用や商品企画業務、調達、Go-to-Market(販売の全体戦略)、セルアウトまで一気通貫でやっています。日々メーカーさんとお付き合いする中でご提案を受けますが、ビジネス条件やわれわれの全体的な戦略もあるので、必ずしも全てを採用することはできません。メーカーさんからご提案を受けた際に、「特徴的ですてきな端末だな」と思うことはよくあります。それを諸事情で採用できないのが歯がゆかった。Free Styleがあることで、取り扱いができるようになりました。

SoftBank Free Style カメラ機能を充実させた「Xiaomi 17 Ultra」のような、とがったスマートフォンをFree Styleで扱っている

―― 現状では、オンラインに限定した取り組みなのでしょうか。ショップでの展開はお考えですか。

牛嶋氏 はい。ショップへの展開は、現時点で決まっていることはありません。まだ始めたばかりなので、特徴あるモデルを販売し、お客さまの声を拾いながらですね。店舗で扱った方がニーズに応えられるという判断ができるようであれば、将来的にはそういった展開も考えていきたいと思います。

―― 取り扱いにあたって、最低限満たしていなければいけない仕様はあるのでしょうか。

牛嶋氏 SIMフリースマホはメーカーさんの仕様に準拠しています。そのため、われわれの要求には準拠していません。ただし、販売元として、(技適などの)認証関連の情報はいただいていますし、指定している最低限のテストはこなしてもらい、その結果はドキュメントでチェックしています。基本動作などはチェックした上で、問題がないことを確認して販売しています。

SIMが入る、入らないで制限は設けていない ウェアラブルも扱う

―― シャープの「からだメイト Watch」もFree Styleでの販売となっていましたが、スマホ以外もあるのでしょうか。

牛嶋氏 基本的には、お客さまに自由な選択を提供するというコンセプトでやっています。SIMが入る、入らないで制限は設けていません。確かにスマートウォッチの取り扱いは初めてですが、極端に言えば、面白い体重計があれば取り扱うと思います。そういった形で、お客さまのニーズに幅広く応えられるのであれば、特に制限はありません。からだメイト Watchもその一環で、カロリー計測ができるという、他のスマートウォッチにはない機能があったから取り扱っています。

SoftBank Free Style シャープのスマートウォッチ「からだメイト Watch」もFree Styleで扱う

―― 特徴あるモデルが中心ではあるものの、Xiaomiの「REDMI Note 15 Pro 5G」はミッドレンジで、ハイエンドモデルに比べると個性は弱めです。

牛嶋氏 特徴あるモデルだけだと、どうしてもハイエンドに寄りがちになります。とはいえ、ハイエンドモデルは一括価格が高い。それだけのラインアップになると、お客さまの多様なニーズに応えられないという思いがありました。最もお手頃にミッドレンジまで広げることで、ラインアップは広がります。今のフェーズでは、幅広くご提供することを考えています。

 実際にリサーチをしても、今、SIMフリー端末を使われている方の全てがハイエンドではありません。ミッドレンジやローエンドの方も当然います。そういった方々は、次に買うモデルにも同価格帯のものを望まれる傾向があります。それが、REDMI Note 15 Pro 5Gを投入した背景です。

 昨年(2025年)11月に始まったばかりなので、今はいろいろなチャレンジをしながら、実際のお客さまのニーズをくみ取り、ラインアップを精査していきます。

SoftBank Free Style Free Styleの中では逆に珍しい、ミッドレンジの「REDMI Note 15 Pro 5G」も扱っている

カメラに特徴があるモデルとゲーミングスマホが人気

―― 今まで出してきた中で、特に売れ行きがいいものはありましたか。

牛嶋氏 今の売れ筋はカメラに特徴があるモデルと、ゲーミングです。後者についてはREDMAGIC 11 Proを取り扱いましたが、反響がすごく大きかった。初回ぶんは数日で完売しましたが、追加分も完売しました。Free Styleでとがった端末を提供するという方向性は、間違っていなかったと思います。

―― ゲーミングスマホにそこまでのニーズがあるのは驚きでした。どちらかといえば、ゲーマーはPCでゲームをするのではないかと思っていたので。

牛嶋氏 われわれも過去にゲーミング系の調査をしたことはありますが、確かにメインはPCでレイテンシを気にする人が多いのは事実です。ただ、販売実績を見ると一定のニーズがあります。スマホでお手軽にゲームをしたい、でもその中でも高いスペックでオンラインゲームをしたい――そういう方々にウケたのだと思います。

SoftBank Free Style ゲーミングスマホの「REDMAGIC 11 Pro」も人気があるという

―― ここでの実績が評価されて、ソフトバンクのキャリアモデルになるということもあるのでしょうか。

牛嶋氏 まだ実績が少ないので今すぐにということではありませんが、それも目的の1つです。キャリアモデルではチャレンジできないニーズにチャレンジするだけでなく、われわれが気付いていなかったニーズに気付くこともできます。もしそれをキャリアモデルにした方がリーチが広がるのであれば、やりたいと考えていました。もう少しラインアップを販売し、実績がよいものは取り扱いを検討できると考えています。

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