ソフトバンクが「SoftBank Free Style」でオープン市場に挑む理由 キャリアモデルの“登竜門”になるか?(3/3 ページ)

» 2026年07月07日 16時30分 公開
[石野純也ITmedia]
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実績を少しずつ出しながら展開 LINEMOユーザーにも案内

―― 先ほど認知を考えれば他キャリアもそれなりにいるというお話でしたが、まだ認知度は低いという評価でしょうか。

牛嶋氏 まだ大々的なプロモーションは仕掛けられていないので、認知度は低いと思っています。PayPay還元で差別化はできていると思っているので、オープンマーケットモデルを好む方に知っていただく活動はやっていかなければならないと思っています。

―― オンラインだけだと、なかなか広く知ってもらうのは難しいのではないでしょうか。

牛嶋氏 普通に考えると、マスでプロモーションをかけなければ認知は広がりません。ただ、ぶっちゃけると、そこまでの予算もないので、まずはソフトバンクの方にSMSやダイレクトメッセージで認知を広げていきたいですね。あとは、SIMフリーモデルを検討する際に強いサイトにバナーを張らせてもらっています。実績を少しずつ出しながら、口コミで広がる環境は作っています。

黒澤氏 メーカーさんでも新製品発表会を開かれますが、例えばシャープさんにも、Free Styleで取り扱いがあると言っていただけました。われわれとメーカーさんの両社で認知の拡大はしていきたいと考えています。

―― LINEMOの場合、キャリアモデルがないので、Free Styleがフィットしそうです。

牛嶋氏 はい。先ほど申し上げたSMSやDMを送る対象には、Y!mobileやLINEMOも含まれています。私もLINEMOは特に相性がいいと思っているので、そこに対しての認知が広がるようにしていきたいですね。

フォルダブルスマホは「いい提案」があれば扱いたい

―― 他社だと、同じモデルで容量違いがオープンマーケットモデルというような売り方をしていましたが、Free Styleでもキャリアモデルにある機種の1TB版を販売するといったことはお考えでしょうか。

牛嶋氏 基本的には、キャリアモデルとは切り離したラインアップをそろえたいという考えがベースにあります。やはり紛らわしいと思うので、キャリアモデルとは別のSKUを扱うことは考えていません。

―― 例えば、同じシリーズでも「+」があったり「Ultra」があったりでバリエーションが増えていますが、「+」だけをFree Styleでというのもないでしょうか。

牛嶋氏 それに関しては絶対とは言い切れませんが、キャリアモデルはシリーズでかたまりとして採用しています。1機種はソフトバンクのオンラインストアだけで他は店頭でも扱うといった強弱をつける可能性の方が高いですね。

黒澤氏 現状でも、このカラーはオンラインショップだけというようなことはやっています。やるとしても、そういった売り方になると思います。

―― 現状だと、最高額はXiaomi 17 Ultraですが、もっと高いものも販売していく可能性はあるのでしょうか。

牛嶋氏 フォルダブルスマホをまだ扱えていないので、いい提案があれば扱いたいと考えています。そうなると、おのずと30万円に近くなっていくかもしれません。

二丸氏 他社さんだと、オンラインショップで完売している(「OPPO Find N6」のこと)ので、ニーズはあるかもしれません。

メーカー側の発売日からズレない環境は整いつつある

―― ちなみに、製品の開拓はソフトバンクがしているのでしょうか。

牛嶋氏 われわれの方からお話をして、「売り込んでください」と言っています。キャリアモデルだと、かなり前からこの時期にと決めて、やりとりを続けてきますが、オープンマーケットモデルは発売日がバラバラなので、毎月、いつでも提案を受け付けていますという状態です。それに対して、クイックに判断しています。

―― 直近だと、XiaomiのXiaomi 17Tや17T Proを取り扱っていません。これはなぜでしょうか。

牛嶋氏 システム側がまだ不完全で、発売日が大幅にズレてしまうことが提案のタイミングで分かってきました。そこまでズレてしまうと、タイミングを逸してしまうので見送ることにしました。高価格帯の端末は、やはりギークな方が発売直後に飛びつくことが多いので……。ただ、今は環境が整いつつあるので、徐々にそういったことがないようなラインアップを組めると思います。

―― 最後に、今後Free Styleをどのぐらいの規模に成長させたいとお考えでしょうか。

牛嶋氏 大きいに越したことはありません。今SIMフリーを買われている方は、ずっとSIMフリーで機種変更してサイクルを回しています。Amazonや楽天市場を見ても、そのポーションはかなり大きくなっています。認知を広げて強みを知っていただき、われわれのサイトで端末を購入していただけるようにしていきたい。そういった方々を振り向けることができれば、大成功だと思っています。

取材を終えて:Free Styleが新規参入メーカーの“登竜門”になるか

 キャリアモデルとしては採用しづらい、個性の強いスマホを販売し、オープンマーケットに流れているユーザーの目をソフトバンクに向ける――これが、Free Styleを立ち上げた理由だ。テストマーケティング的にユーザーの反応を見て、キャリアモデルのラインアップに反映させる狙いもあるようだ。この連携で成功例が出れば、Free Styleが新規参入メーカーにとっての“登竜門”になるかもしれない。

 こうしたステップアップが可能なのは、ソフトバンクがキャリアモデルとオープンマーケットモデルを同じ部門で見ているからだろう。この点は、アクセサリーの販路を使うKDDIとの違いといえる。一方で、ラインアップの構築や認知度の拡大にはまだ課題もある。回線契約につなげられる体制の構築も、必要になりそうだ。

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