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» 2004年07月08日 22時39分 公開

進化した無接点充電モジュールや携帯用3D音場──ESEC

「組込みシステム開発技術展」(ESEC)では、企業向けの硬派な製品に圧倒されがちだが、中には最新の製品や近未来の製品に使われる身近な技術があった。

[中嶋嘉祐,ITmedia]

 東京ビッグサイトで開催中の「第7回組込みシステム開発技術展」(ESEC)では、企業向けの組み込み機器用マザーボードやタッチパネルのほか、身近なデジタル家電や携帯電話、携帯ゲーム機といった製品向けの技術も紹介している。

 松下電器産業半導体社は、Ethernetによるホームネットワーク上で、デジタルコンテンツを著作権を保護しながら送受信が可能な機能を搭載した32ビットマイコンのプロトタイプを展示した。

photo 評価ボード
photo 評価ボードとソフトの構成

 著作権保護技術「Digital Transmission Content Protection「(DTCP)で保護した映画などデータをIPパケット化する「DTCP-IP」をサポート(関連記事参照)。ホームサーバなどに組み込み、ホームサーバに蓄積した映画などを、別の部屋のPCや対応レコーダーを通じて視聴できる。ただしコピーはできないという仕組みだ。来年以降の量産化を計画している。

 また、携帯電話や携帯ゲーム機などで広がりのある3D音場を築く「モバイル向け3次元音響再生LSI」も展示(関連記事参照)。今後数世代以内にFOMA端末で採用されるという。「採用端末の価格が、1000円以上高くなることはないと思う」。

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photo 人が音の方向を判断する仕組みに基づいて再生音を処理し、左右の耳に届く音を実音場に近づける。展示システムは30センチの距離で最適化していたが、数メートル離れていても、自然に聞こえた

 携帯電話などの機器を非接触で充電できるセイコーエプソンの「無接点電力伝送モジュール」。従来品よりも電力伝送効率を飛躍的に高めたことで注目を集めた昨年11月のお披露目から、さらに実用性を増していた(関連記事参照)。

 昨年11月の時点では、電力を送る送信チップに受信チップを識別する機能がなく、100円玉などの金属を近くに置いても電磁誘導を始めてしまう問題があったという。

 今回の展示では、電力の伝送に使うコイルの磁場で識別する。送信チップは300ミリ秒ごとにコイルの磁場の変化を確認。受信チップ側のコイルを近づけたときの磁場になると、電磁誘導を開始する。異物や対象外の携帯には反応しないというわけだ。

 また送電側にID認識機能も加わった。受電機器を識別して送電することが可能で、例えば携帯電話なら、別のキャリアの端末には送電しない、といった使い方も可能になる。

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photo オーストラリアにカンガルー、中国にパンダを置くと光がつき、逆にしても反応しない。硬貨などを「異物」として検知することも可能になった

 Motorolaから年内にスピンオフ予定のFreescale Semiconductorは、任天堂の「ゲームボーイアドバンス専用ワイヤレスアダプタ」に採用されている無線通信技術「ISM Link」のチップを展示。

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 2.4GHzのISMバンドを利用する通信方式で、現状の最大転送速度は256Kbps。転送速度では、競合となるBluetoothの1Mbpsに劣るが、通信を開始するまでのレスポンスタイムは10分の1で済むという。ゲームボーイアドバンスの周辺機器に採用された理由も「ボタン操作を相手側にすぐ送れるから」だという。

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