絵作りの傾向が変化、シャープさに欠ける〜「V602SH」ケータイカメラ画質研究ラボ(2/4 ページ)

» 2004年07月15日 00時01分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 画像の保存にかかる時間は、SDカードに最大画像サイズ最大画質で記録した場合、約2.5秒。自動保存にした場合も撮影から保存完了まで約4.5秒と従来のシャープ製端末に比べて劇的に改善された。これは素晴らしい。

 デジタルカメラモード時の最大撮影サイズは1632×1224ピクセルの横長。端末上には1224×1632ピクセルと表示されるが、実際には横位置で記録される。これはそれ以外の、SXGAモード(1280×960)、XGAモード(1024×768)、VGAモード(640×480)でも同様に画像は横位置だ。

 ただし、PC上の画像ブラウザによっては横位置で表示されるとは限らない。画像自体は横長だが、画像に記録されるEXIF情報の回転タグの記述がヨコ撮り時とタテ撮り時で違うからだ。

例えば先日レビューした「V401D」(7月9日の記事参照)は、画像自体は横位置であるが、EXIFの回転情報タグにどちらを上にして撮影したかが記述されている。回転タグ対応の画像ブラウザで見ると、ちゃんと天地が正しく、タテで撮ったものは縦で、ヨコで撮ったものは横で表示される。

 V602SHも説明書には、「デジタルカメラモードで撮った写真は横位置で記録される」と書いてあるが、実際にはヨコ撮り時とタテ撮り時で別のタグが埋め込まれており、回転タグ画像ブラウザの場合はそれを解釈して回転して表示されるのだ。

 しかし回転タグの記述内容が標準的でないせいか、タテ撮り時はきちんと90度回転して縦位置で表示されるが、ヨコ撮りした画像のほうは−90度回転して逆方向の縦位置で表示されてしまうことがある(Photoshopのファイルブラウザなどで確認)。これはちょっと気になった。

 ともあれ、全体にカメラ機能はブラッシュアップされ、以前のように「画質はいいけど保存が遅い」とか「ヨコ撮りするときはサブディスプレイを見ながら撮るので分かりづらい」という欠点がなくなったのは評価すべきだ。

 ディスプレイの裏は真っ黒で何もなし。サブディスプレイは底面にあるのだ。180度反転させるとビューワスタイルになる。これは画像再生中

屋外編

 まずは屋外の画質から見ていこう。今回は比較用としてカシオ計算機製「EXILIM S20」と、シャープ製の200万画素カメラ付きケータイ「SH900i」(3月29日の記事参照)の画像を並べてみたい。なお、SH900iは、以前に撮影したもので、撮影環境は若干異なる。

 まずは象のすべり台から。

 上段左がV602SH、右がSH900i。下段左がEXILIM S20

 色は相変わらずきれい。ホワイトバランスもいいし緑も黄色も青も赤もきちんと出ている。ブレがちな地面の色も自然だ。ただSH900iの絵に比べると、ややシャープさに欠ける気がしないだろうか。エッジ強調が弱めになったのか、もしかしたらレンズが変更されたせいなのかもしれない。

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