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» 2004年03月29日 11時35分 公開

画質は最高峰、保存時間に課題〜「SH900i」ケータイカメラ画質研究ラボ(1/3 ページ)

デジカメ機能重視で選ぶとなると、外せないのがシャープ製端末。900iシリーズのFOMA「SH900i」でも、期待を裏切らない写りを見せてくれた。スペック面では「SH505iS」と同じオートフォーカス機構付きの202万画素CCDだが、900iシリーズらしい進化も見て取れる。

[荻窪圭,ITmedia]

 FOMA「SH900i」のデジカメ機能は、「N900i」「P900i」に比べると「505iS」の香りを強く残している。カメラはテレビ電話に対応している900iシリーズらしく、メインカメラとインカメラのツインカメラ構成だ。テレビ電話用や自分撮りに使うインカメラは11万画素CMOSだが、メインカメラは202万画素のCCDを採用している。

 メインカメラは「SH505iS」と同様、底面に付いており、F2.8の明るさでAF機能付き。その横にピクチャーライトがある。

 記録メディアはminiSDカードで16Mバイトのものが付属する。QVGAサイズのムービーをばんばん撮ったり2Mサイズの写真をばしばし撮るなら64Mバイトのメディアを別途買いたいところ
 レンズは底面にありデジカメスタイルで撮るとき便利。ピクチャーライトは下側に

「SH505iS」のカメラ機能をベースにブラッシュアップ

 「N900i」「P900i」は、メインディスプレイを見ながら端末を縦に構えて横位置の画像を撮るのが基本スタイル。SH900iはSH505iSと同様、閉じた状態ではデジカメスタイルで撮影、開いたら携帯スタイルで撮影と、使い分けられるのが特徴だ。

 閉じた状態ではサブディスプレイがファインダー代わりになる。サブディスプレイの下(横位置で持つので、撮影者から見たらディスプレイの右)に並んだ3つのボタンで簡単なメニュー操作を行える。開いたときに比べると項目数は限られるが、必要最低限の作業は可能だ。

 カメラを横に持ち、右側面(カメラを構えた状態では上にくる)カメラボタンを長押しするとカメラモードになる。あるいはメニューからカメラを選んでもいい。

 この状態では右側面のカメラボタンがシャッターボタンになる。カメラボタンは「半押し」に対応しており、軽く押すとAF動作が始まってピントが合い、最後まで押し切ると撮影できる本格的なもの。しかもシャッターボタン部分がやや盛り上がっていてなかなか押しやすい。デジカメとしてそのまま使えるくらいの出来だ。

 デジカメスタイルで撮るときはサブディスプレイがファインダーになり、右の3つのボタンで操作する。サブメニューは簡素だが、その分オリジナルモードなどをうまく使ってコントロールする
 シャッターボタンは上面の押しやすい位置にある。少し盛り上がっているので間違えようがないのもいい。半押しが可能で、半押しによるフォーカスロックもできる。閉じた状態ではこれを押すとカメラモードになる

 開いた状態ではそのまま液晶モニタをフルに使った縦位置での撮影になる(ここがN900iやP900iと違うところ)。

 このときは中央の決定キーがシャッターになり、これを押すとAFが作動してシャッターが切れる。このため、撮れるまでにちょっとタイムラグがある。あらかじめピントを合わせておきたいときは[0]ボタンを使う。押すとフォーカスロックされるのだ。

 右上に独立したカメラボタンがあり、これを押すとすぐカメラモードになる。左上のiモードボタンがライト。左下にあるviewボタンが全画面表示との切り替え。数字キーはカスタマイズできる。右側面が少しふくらんでいるのは側面のシャッターボタンだ
 開いて撮るときは、左の画面のように縦位置になる。上部2段、下部1段が情報表示エリア。液晶は大きくて見やすい。ただ、この状態だと上下が切れて表示されるので出来上がりのイメージがつかめない(左)。全画面表示になると構図全体が見渡せて撮りやすくなり、撮影しやすくなる。うまく使い分けること(右)
 これが基本メニュー(左)。機能の一部がグレーになっているのは2Mモードでは使えないため。サブメニューに撮影画像一覧があるのは便利だが少々遅い。2ページ目には自動保存モードやオリジナルモードなど便利な設定が(中)。さらにボタン操作一覧を見ると、ショートカットキーの割り当てが分かる。ほとんどすべてのボタンに機能が割り当てられているのだが、数字キーに割り当てられた機能は「カスタム」を押せば好きなものに変えられる。この写真では空いていた[1]にピクチャーライト色変更を割り当ててある(右)

 撮影解像度は2Mモードにすると1224×1632ピクセル。一般の200万画素気より若干大きなサイズだ。その下にはSXGA(100万画素相当)の960×1280、その下にはXGA、さらにVGA、CIFF、QVGAなどと続き、合計8種類ある。

 画質はなんと6種類。エコノミー/ノーマル/ファイン/スーパーファイン/iモードメール用/大容量添付メール用である。

 2Mモードの場合、本体内に記録するときは、エコノミーからファインの3種と大容量添付メール用のいずれかから選ぶ。miniSDカードに記録するときはエコノミーからスーパーファインの4種から選ぶ。

 エコノミーだとファイルサイズは約64Kバイト前後、スーパーファインだと約800Kバイト前後と大きく異なる。エコノミーだと画質もガタガタになって使い物にならないので、ノーマルかファインあたりが妥当だろう。

 気になるのは、相変わらず撮影から記録までの時間がかかること。これがSH系の唯一の難点といっていい。起動こそ1.8秒くらいでそこそこ速いが、記録時間が長い。

 2MでminiSDカードに記録する場合は以下の通りだ。自動保存をオンにした場合、「保存しました」と表示されるまでの時間を測ってみた。

画質 保存にかかる時間
ノーマル 14秒
ファイン 15.5秒
スーパーファイン 16.5秒

 16秒というのは使っていてかなりつらい。初期のデジカメでも10秒を越えるものは、まれだったのだ。

 100万画素モードで試したのが次の表だ。

画質 保存にかかる時間
ノーマル 10.5秒
ファイン 11秒
スーパーファイン 11.5秒

 XGAサイズだとスーパーファインで約9秒となる。

 画像サイズを小さくすると速くなっていくのだが、せめて2Mモードで10秒、XGAサイズなら5秒を切ってほしいのが本音だ。

 なお、撮った写真はすべて「縦位置」で記録される。SH505iSの場合、画像は縦位置で記録されるが、閉じた状態で側面のシャッターを押して撮った写真は、画像データ(Exif情報)に「90度回転させて撮りました」という情報が書き込まれる。このためPC上でExifにきちんと対応した画像ブラウザで見ると、開いて撮ったものは縦位置で、閉じて撮ったものは横位置で表示されたのである。

 だがSH900iではこの機能がなくなり、どうやって撮ったものもすべて縦位置画像として扱われる。これは残念。せっかくデジカメスタイルで撮っても画像が縦位置ではちょっと興ざめで、何かいいアイデアがほしいところである。

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