携帯にテレビをつけてみませんか?〜1セグのビジネスモデル(2/3 ページ)

» 2004年10月22日 03時40分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 しかし、キャリアが3Gへのシフトを推し進めることが、テレビ内蔵にとっても追い風となる。映像コンテンツなどを用意して、3Gサービスの利用促進を図る携帯キャリアだが、なかなかユーザーには訴求しきれていない。「今のところ、『FOMAでこんな動画が見られますよ』とやっても見てもらえない。紙のパンフレットを配って、メニューからクリックしてもらえなければ見られないからだ」(佐野氏)。

 そこにテレビが果たせる役割がある。「テレビをつけてみませんか? テレビからコンテンツに誘導します」。

通信と連携するための、3つの仕様〜広告にも応用

 テレビと携帯通信をうまく連携させるため、民放各社とNHKは1セグ放送の「携帯プロファイル」を策定した。大きな特徴は3つある。

 1つは、画面上部にテレビ放送を流し、下部にデータ放送(BML)を流すこと。データ放送では、アンケートなど視聴者参加型のコンテンツが提供できる。

 2つ目は、テレビがCMなどに切り替わった時に、データ放送も自動的にCMに合ったものに切り替わることだ。

 3つ目は、CMの前に行ったアンケートの結果などが端末に記録されるということ。この仕組みをうまく使えばマイレージサービスも可能になる。「この番組を10分見たら1ポイント、30分見たら5ポイント。200ポイント貯まったらハワイ旅行への抽選権を獲得……といったことができる」(佐野氏)。

佐野氏の資料より

 こうした仕組みは、“1セグならでは”の広告作りにも役立つ。例えば、ファーストフードのCMの最中、データ通信でもCMを流し、クリックすると通信を行って携帯向けクーポン券を発行する。屋内のテレビとは違い、目の前にそのファーストフード店があるかもしれない。携帯内蔵テレビは屋外で見るため、「購買直前の背中の一押し効果がある」(佐野氏)のだ。

 テレビ局にとっては、「単に外でテレビに触れてもらう機会が増えるだけじゃない」(佐野氏)メリットがここにある。

テレビ画面とインターネット画面の混在表示に課題

 テレビと携帯の融合に期待する佐野氏だが、もちろん課題もある。最も配慮しなくてはいけないのは、「テレビとネットの混在表示」だ。

 テレビ局は、災害時などに基幹放送として緊急放送を流す。このときのコンテンツの正確性は、放送事業者の根幹に関わる重要なものだ。ところが、データ放送からクリックして表示されるサイトが一般サイトだったらどうなるか。いたずらに混乱を煽る掲示板サイトなどが、テレビ放送と同画面に表示されることもあり得る。

 「災害放送と、無責任なネット画面を混在させるのはマズイのではないか」(佐野氏)

 具体的にどのような対策を取るかは、明らかにしなかったが、どのレベルまでネット画面の混在表示を許すかは、今後の課題になる。

次ページ:1セグ成功に、なぜ携帯は必要か

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年07月14日 更新
  1. 誤爆で「ワインが20本も届いちゃう」 押せば注文できる“Amazon Dash Button ”とは何だったのか (2026年07月11日)
  2. 専用充電器はもう不要? 中韓スマホから国内勢まで巻き込む「USB PPS」急速充電の新常識 (2026年07月14日)
  3. スマホをタッチせずに改札もレジも通過 日本で広がる「UWBタッチレス決済」最前線 (2026年07月10日)
  4. スマホは本当に会話を「盗聴」して広告を出しているのか? 専門調査と最新事例から考える (2026年07月13日)
  5. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  6. 日本のテスラで解禁された対話型AI「Grok」を試してみた 従来のカーナビを圧倒する異次元の利便性 (2026年07月13日)
  7. ポケモンGOからNianticのロゴが消える 起動画面に「SCOPELY EXPLORE」、10周年の節目に (2026年07月12日)
  8. その使い方、発火リスクあります──モバイルバッテリーで真夏にやってはいけないこと INFORICHが啓発 (2026年07月13日)
  9. スペックが同じに見えるNothingの「Phone (4a)」と「Phone (4a) Pro」のカメラ 撮り比べて分かった“意外な違い” (2026年07月13日)
  10. 4キャリアのネット銀行、メイン利用率は35.8% 契約キャリアとの結び付きが強い結果に MMDが調査 (2026年07月13日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー