携帯にテレビをつけてみませんか?〜1セグのビジネスモデル(3/3 ページ)

» 2004年10月22日 03時40分 公開
[斎藤健二,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

1セグ普及には、魅力的な端末が必須

 テレビと携帯の連携を考える前に、「放送ビジネスの成功には何が必要か?」を佐野氏は考えたという。その結果、「携帯──このパートナーを引きずり込もうじゃないか」という結論に至った。放送ビジネス成功に必要な要素とは、いったい何だったのか。

 1つは“伝送路”だ。どこへ行ってもしっかり視聴できること。ここは絶対に外せない要素だ。モバイル放送のようにギャップフィラー(電波の再送装置)を持たない1セグ放送は、ビルの陰などで受信がしにくくなるのではといった懸念は以前からあった。

 しかし2003年8月に、東京タワーからフルパワーで電波を発射する大電力実験をやったところ、「これだけ(電送力が)あれば、商売になる。東京タワー1つでもOK」(佐野氏)という感触が得られた佐野氏は話す。

 「例えば新宿の駅のホーム。全部受けられました。プラットフォームを結ぶ地下通路。階段など空が見えている場所なら受かる。渋谷ハチ公前のカラオケボックス。OKだった」

 2つ目は“コンテンツ力”だ。1セグ放送では、固定テレビ向けの放送と「ほぼ同じ番組を送る」(佐野氏)予定(10月2日の記事参照)。当初は1セグ専用の放送を作る必要があるのではないか、という議論もあったようだが、現在はサイマル放送ということで落ち着いた。

 「家でなければ見られなかった番組が、外でも見られる。これはコンテンツ力がある」(佐野氏)という判断だ。

 3つ目は“魅力的な端末”である。実は1セグ放送にとって、これが最大の課題だった。まず「ポケットに2台の機械を持ち歩く人は少ない」こと。同社が外出時に携帯・現金以外に持ち歩くものを調べたところ、ポータブルオーディオ機器が唯一、ある程度のユーザーが持ち歩くものだった。

 「ポータブルオーディオの代わりに1セグテレビを持ってもらうか、ポータブルオーディオに1セグテレビ機能を付けてもらうか。そして携帯だ」(佐野氏)

 携帯の場合は、普及台数のほかに特殊な販売ルートが魅力となる。「インセンティブ販売、1円端末……。携帯をパートナーとすることで、違う流通ルートで端末が流れる」(佐野氏)。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年07月14日 更新
  1. 誤爆で「ワインが20本も届いちゃう」 押せば注文できる“Amazon Dash Button ”とは何だったのか (2026年07月11日)
  2. 専用充電器はもう不要? 中韓スマホから国内勢まで巻き込む「USB PPS」急速充電の新常識 (2026年07月14日)
  3. スマホをタッチせずに改札もレジも通過 日本で広がる「UWBタッチレス決済」最前線 (2026年07月10日)
  4. スマホは本当に会話を「盗聴」して広告を出しているのか? 専門調査と最新事例から考える (2026年07月13日)
  5. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  6. 日本のテスラで解禁された対話型AI「Grok」を試してみた 従来のカーナビを圧倒する異次元の利便性 (2026年07月13日)
  7. ポケモンGOからNianticのロゴが消える 起動画面に「SCOPELY EXPLORE」、10周年の節目に (2026年07月12日)
  8. その使い方、発火リスクあります──モバイルバッテリーで真夏にやってはいけないこと INFORICHが啓発 (2026年07月13日)
  9. スペックが同じに見えるNothingの「Phone (4a)」と「Phone (4a) Pro」のカメラ 撮り比べて分かった“意外な違い” (2026年07月13日)
  10. 4キャリアのネット銀行、メイン利用率は35.8% 契約キャリアとの結び付きが強い結果に MMDが調査 (2026年07月13日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー