コラム
» 2004年11月09日 22時33分 公開

iモード伝言板の成功で、災害時の連絡方法は変わるか (2/2)

[吉岡綾乃,ITmedia]
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安全性と正確さのためのクローズド掲示板

 iモード災害伝言板では、ユーザーの電話番号と位置情報が利用されている。ユーザーがどこにいるかを基地局が確認し、登録可能地域内にいるiモード端末ユーザーであることが分かれば、そのユーザーは安否情報を書き込める。安否情報はPCや携帯電話、PHSからでも閲覧できるが、登録できるのは「被災地等登録可能エリアにいるiモード携帯電話の利用者」に限られる。

 このようにクローズドな掲示板システムにした理由を、ドコモは「間違った情報やうそを登録されないため」と説明する。「悪意ある人がわざと間違った情報を書き込んだりすれば、助かるべき人が助からなくなるかもしれない。それでは意味がない。それを防ぐためのクローズドな仕組み」(ドコモ広報部)。

 しかし、安否を知りたい相手の携帯がドコモかどうか分からないこともあるだろう。他キャリアの端末に対応するのは難しいのだろうか。

 「位置情報+番号で識別するという仕組みなので、自社ユーザーの端末しか把握できない。ほかのキャリアの端末にも対応するとなると、オープンな掲示板にせざるをえないが、それは情報の正確さを保つために避けたい」

auも2005年度中に伝言板サービスを開始予定

 現在、このようなサービスを提供しているのは、ドコモのみ。ほかのキャリアでも同様なサービスが始まることはないのだろうか。

 auは新潟県中越地震で、最大90%弱の通話規制を行った。「(iモード災害伝言板のような)サービスは必要だと考えている。2005年度中に開始予定」(au広報部)。一方、今回通話規制を行わなかったボーダフォンは、「災害時の伝言板サービスは検討しているが、まだ具体的なスケジュールは未定」としている。

 各キャリアが同様のサービスを行うようになれば「災害時の伝言板利用」はさらに浸透するだろう。しかしそれぞれが独自のシステムを使うのでは、便利さも半減してしまう。事業者番号を確認すれば、どこのキャリアの端末かを調べることができるとはいえ、ユーザーがそれを調べてから伝言板サービスを使う仕組みでは不親切だ。また2006年から番号ポータビリティが始まれば、どこのキャリアの端末なのか番号から識別はできなくなる。

 もっとも望ましいのは、各キャリアが同様のサービスを立ち上げ、横の連携をしながら共通に使えるような仕組みを作ることだろう。iモード災害伝言板の浸透を受け、TCAなどの業界団体や総務省が、将来の課題として取り組むべきは「キャリアを超えた横の連携作り」ではないだろうか。

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