2007年は携帯用燃料電池 元年携帯向け燃料電池 現状と課題(3/5 ページ)

» 2005年01月22日 03時23分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

DMFCのいろいろ〜アクティブからパッシブまで

 現在、携帯機器向けの燃料電池の本命と目されているDMFC。しかしDMFCにもいろいろな種類がある。大きく分けて、燃料をポンプなどで送り込むアクティブ型と、浸透などに任せるパッシブ型だ。

 「アクティブ型は出力はあるが複雑になる。パッシブ型は小型化、薄型化には適している」(東芝の五戸氏)

 アクティブ型では燃料の濃度や酸素の供給を制御できるため高出力を得やすい。また100%濃度のメタノールをポンプなどの補器を使って水で希釈することで、現行のDMFCに適した低濃度メタノールに変えることもできる。こうしたメリットの半面、装置が複雑で大きくなるという欠点がある。

 東芝、NECをはじめDMFCを手がける各社は、高出力が要求されるノートPCなどではアクティブ型を、携帯電話などではパッシブ型を採用している。

東芝の長谷部氏のスライドより。アクティブ型とパッシブ型は、ポンプなどの補器以外、触媒電極や電解質膜などの基礎技術はほぼ共通。そのほか、カシオ計算機が手がける「改質型PEFC」もある。これはメタノールなどのアルコールから改質器で水素を生成し、水素を燃料とする燃料電池だ


NECの久保氏のスライドより。DMFCの原理。アノード(陽極)の触媒電極でメタノールと水が混合し、メタノール分子は水素原子と二酸化炭素に分離する。分離した水素原子は電子(e)を失い、電解質膜を通って反対側のカソード(陰極)電極に流れる。電子を失った水素原子(プロトン、H+)は空気中の酸素に反応し、電子のない水を形成。2つの極をワイヤーでつなぐと、アノードで離れた電子がカソード側に流れる──つまり発電が行われる


Samsung AITのチャン氏のスライドより。DMFCの原理図を具体的な機器の形にするとこうなる。電極(Electrode)の間に、触媒(Catalyst)と電解質膜(Membrane)が挟まれている。これを1組としてMEA(Membrane Electrode Assembly:膜電極接合体)と呼ぶ。普通DMFCは、MEAをセルとして複数のMEAを組み合わせたセルスタックとして動作する

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年07月15日 更新
  1. 専用充電器はもう不要? 中韓スマホから国内勢まで巻き込む「USB PPS」急速充電の新常識 (2026年07月14日)
  2. 誤爆で「ワインが20本も届いちゃう」 押せば注文できる“Amazon Dash Button ”とは何だったのか (2026年07月11日)
  3. 日本のテスラで解禁された対話型AI「Grok」を試してみた 従来のカーナビを圧倒する異次元の利便性 (2026年07月13日)
  4. LINEの新「プレミアムブロック」で完全な“絶縁”が可能に? 従来のブロック機能との決定的な違い (2026年07月15日)
  5. スマホは本当に会話を「盗聴」して広告を出しているのか? 専門調査と最新事例から考える (2026年07月13日)
  6. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  7. なぜ「ドコモ銀行」じゃない? 「ドコモSMTBネット銀行」の名称に隠された通信と金融の“パワーバランス” (2026年07月15日)
  8. 4キャリアのネット銀行、メイン利用率は35.8% 契約キャリアとの結び付きが強い結果に MMDが調査 (2026年07月13日)
  9. スマホをタッチせずに改札もレジも通過 日本で広がる「UWBタッチレス決済」最前線 (2026年07月10日)
  10. 「不要な広告」に追跡されないために私がしている3つのこと (2017年02月16日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー