富士通は、地上デジタルテレビ放送を受信する携帯電話向けに、新チップを開発した。チューナーとOFDM復調チップの合計で、従来100m〜200mWだった消費電力を50mW程度に下げることができる。
独立行政法人情報研究機構(NICT)からの委託により開発を進めてきたもので、1年以内にモジュールとして製品化する計画だ。
低消費電力化のキーとなったのは、新たに開発したデルタシグマ(ΔΣ)方式を採用したアナログデジタル(AD)変換器だ。0.11マイクロメートルプロセスのCMOSを使い、可変分解能のΔΣAD変換器を開発。これにより従来のアナログフィルター+AD変換器に代わり、デジタルフィルターが利用可能になった。チューナー自体の消費電力は30mWとなっている。
フィルターとAD変換器からなるチューナーは、OFDM復調チップなどに比べて消費電力が大きかった。同社によると、今回の新開発によりH.264デコードチップの消費電力を加えても100mW程度の消費電力に収まるという。
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