独ハノーバーで開催されているIT見本市「CeBIT 2005」会場で、面白い展示を見かけた。壁や机にデータを投射する「プロジェクター携帯」がそれだ。26ホールの独Siemensブースに展示されている。
独特のヒンジ構造を持っており、端末上部のプロジェクターに当たる部分を回転させてさまざまな角度にデータを投射できる。映されたデータ(レーザー光による表示画面)をスタイラスで操作すると、ちゃんと各種アプリケーションを動かせる。「バーチャルキーボード」という製品があったが、それに近いイメージ。会場では実際に稼動デモを見ることができた。
ヒンジを90度回転させて机に投射すれば、机を操作画面に見立てて利用できる。270度、反対側まで回転させると、今度は端末裏面に投射してPDAのように使うことができる。少しだけ、ほんの15度程度傾ければ壁に投射することも可能。「4通りの利用法を提案する」(説明員)という。
プロジェクターの“付け根”にあたる棒の部分に2カ所、超音波センサーが付いている。これと端末から取り外しできるスタイラスが通信を行ない、ユーザーがペンを置いている位置を自動的に把握する仕組み。
「この技術そのものは、1980年代から存在した。『3点測量』と呼んでいる」(説明員)
展示されていたのは“ファーストプロトタイプ”とのことで、価格、発売時期などは全くの未定。説明員は商品化に向けて「開発に2年はかかるだろう」と見通しを話してくれた。
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