欧州でも「地デジ携帯」〜Siemensの端末をチェックCeBIT 2005

» 2005年03月10日 12時14分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 日本で「地上デジタル放送対応携帯」が話題になっているが(2004年の特集参照)、欧州でも同様の携帯が開発されている。10日に開幕した世界最大規模のIT見本市「CeBIT 2005」で、欧州版“地デジケータイ”に触れることができた。

 独Siemensのブースでは、DVB-Hに対応した携帯電話を展示している。携帯とはいいながらキーボードがない、ちょっと面白いインタフェースだ。“フルタッチパネル”の端末となっており、携帯電話をかけるときはパネル上のテンキーをタップして、番号をダイヤルする。

PHoto 左に見えているボタンは、ボリューム調整用。右には「発話」「終話」ボタンが見えている


Photo ここにスタイラスが収納されている


Photo 上記のテレビ視聴時の画面をよく見ると、携帯電話のマークが表示されている。そこをタップすると、携帯用の画面に切り替わった

 会場では、実際にデモ用の放送波を受信していた。放送免許がないため本放送は受信できないが、特別に用意した複数の番組を視聴可能。本放送は無料で視聴できるという。

 テレビ視聴時は端末を横置きにするのが普通だが、携帯として利用する場合は縦に持って使いたいもの。デモ端末は、縦にすると自動で縦表示に切り替わる仕様で、細かい配慮が行き届いているのが分かる。

PHoto このように、横置きにしてたてかけて映像を視聴できる


Photo 携帯を縦にすると、一瞬画面が暗転した後、自動で縦表示になる

 携帯とテレビを切り替える時、時間にして数秒の間が空く。これは「DVB-Hではデータを受信する前に相当量のキャッシュを読み込む。このため、すぐには切り替わらない」(説明員)ためだという。

 端末はBluetooth機能も装備。Bluetoothヘッドセットとのワイヤレス接続に対応するなど、オーディオ機器との接続も考慮した構成だ。

PHoto 裏面。テレビ視聴にばかり興味がいきそうだが、実はカメラも搭載している


PHoto 端末側面には、miniUSBの端子も備える

時間の持ちは? 双方向性は?

 地デジケータイといえば、気になるのは電池の持ち。説明員は「通常のDVB-Tでなく(電池の持ちがいい)DVB-Hである以上、ある程度は持つ。この端末は3時間持つし、半年ほど開発を続ければ電池寿命は倍にできるだろう」という。

 もう1つ気になるのが双方向性だ。この点はデモ端末でもしっかりカバーされている。

 テレビ視聴画面を良く見ると、下のほうに「VIVA+」「VIVA+!」「MITV」などの文字列が見える。これは、通信連携型のサービスを表したもの。VIVA+は、英Vodafoneが提供するサービスを試験的に示しているのだという。

 実際にVIVA+をタップして選ぶと、各種操作の設定画面が表示された。具体的には、「VOTING」(投票)「MESSAGE」(メッセージ)などのアクションが可能。双方向番組で行われる人気投票や、視聴した上での感想をテキストベースで送信できるという。

PHoto 英Vodafoneのマークが表示された画面が示された。ここが通信と放送の融合したエリアだ


PHoto 感想をテキストにして送信できる

 「Vodafoneとは今回、市場の可能性を模索するという共通目的のもと協力した。あくまでコンセプトモデルであり、サービスの詳細や開始時期、価格は未定」(説明員)

 開始時期は未定だが、1ついえるのは「2006年がターゲット」ということだ。2006年には、ドイツでサッカーのワールドカップが開催される。テレビ視聴のニーズが相当に高まると予想されることからメーカー、オペレーターとも、ひとまずはここを目標に開発を進めているとのことだった。

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