日本と似ているようで異なる……韓国の携帯コンテンツとは?(1/2 ページ)

» 2005年03月17日 13時09分 公開
[佐々木朋美,ITmedia]

 韓国も、比較的早いうちから無線インターネットサービスが普及した国の1つ。最近では韓国のコンテンツプロバイダ(CP)の日本進出や、リングバックトーン(2004年12月20日の記事参照、(2003年8月22日の記事参照)など韓国発のサービスが日本に上陸するなど注目を集めているが、現地では実際どのようなサービスが行われているのだろうか。

韓国の無線インターネットの歴史

 韓国のモバイルインターネットサービスは、日本のiモードやEZwebと同様、キャリアごとに内容が異なっており、SK Telecom(以下、SKT)は「Nate」、KTFは「magic n」、LG Telecom(以下、LGT)は「ez-i」という名称でそれぞれ展開している。

 最近でこそ成功を収めている韓国のインターネットサービスだが、iモードのように当初から成功を収めたわけではない。

 韓国でもほかの国同様、1999年〜2000年前後にWAPベースのモバイルインターネットサービスが開始されたが、当時の携帯電話の表現力の低さなどに加え、早いうちから「PC房」(日本でいうインターネット喫茶)が普及しており、街中で気軽にインターネットが利用できることもあって普及には至らなかった。

 普及のきっかけとなったのが、SKTの「Nate」だ。SKTは、同じグループでありながらそれまで別々に展開されていた有・無線のインターネットサービスの融合したサービスとして、2001年に「Nate」をスタート。韓国最大のキャリアという強みを活かし、PCのポータルサイトと連携を深めることで人気が高まった。また2001年は、ちょうど韓国で携帯電話のカラー化や着メロの和音化が進み始めた年でもある。端末のリッチ化で表現力が豊かになったことも、携帯コンテンツの流通を一押しする要因になったといえるだろう。

韓国で人気のコンテンツは?

 では、実際韓国ではどのようなサービスやコンテンツが提供されているのだろうか。実際SKTの「Nate」を覗いてみると、着メロや待ち受けといったダウンロード系コンテンツのほか、ニュースや株式情報、コミュニティ、チケット予約などさまざまなサービスが提供されている。

 中でも人気が高いのは、やはり着メロやリングバックトーンなどの音楽系コンテンツや、待ち受け、ゲームなどと、日本と大きく変わらない。しかしコンテンツの課金方式は日本と異なり、ほとんどが「都度課金」で行われている(2004年11月4日の記事参照)

 携帯コンテンツが早いうちから人気を集めた日本では、都度課金はあまり積極的に導入されてこなかった経緯があるが、韓国では早いうちから都度課金が導入されている。都度課金がコンテンツの普及に一役買ったといえるだろう。ちなみに韓国には勝手アプリ同様、勝手サイトという文化も根付いていない。宣伝などを目的とした無料コンテンツも全くないわけではないが、基本的にはお金を払って購入する仕組みとなっている。

上のアイコン左から「My」は、登録したサイトを見られるMyメニュー、「HOT」は、Nateがお勧めするメニュー、その隣は無料コンテンツ、「M」は、ダウンロードコンテンツの総合メニュー、虫眼鏡アイコンは検索メニュー、「W」は、URLを入力せずとも数字を入力すれば希望のサイトを表示できる「WINC」メニュー

 下に並んでいる数字のアイコンは、1番が音楽配信「MelON」などの音楽系サービス、2番が壁紙などの画像系サービス、3番がゲーム、4番がチャットや顔文字ダウンロードなどのコミュニティ系サービス、5番が証券情報などマネー系サービス、6番が交通情報などの位置系サービス、7番がスポーツや芸能などのニュースサービス、8番が占いやチケット予約などのその他のサービス、9番がアダルト系サービスだ。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年04月28日 更新
  1. メルカリで詐欺に遭った話 不誠実な事務局の対応、ユーザーが「絶対にやってはいけない」こと (2025年04月27日)
  2. ドコモ新料金プランは何が変わった? 「ドコモ MAX」と「eximo」を比較、値上げ以上の価値が受け入れられるか (2025年04月25日)
  3. ドコモの「irumo」わずか2年で新規終了の理由 0.5GBプラン廃止の影響は少ない? (2025年04月24日)
  4. ドコモ、月550円からの「irumo」受付終了へ 代替えの新プランは「4GBで2750円」「10GBで3850円」の“2択”に (2025年04月24日)
  5. ドコモが料金プランを刷新したワケ “優良顧客”重視にシフトも、サブブランド競争では不安も (2025年04月26日)
  6. なぜ警察署の番号から詐欺の電話が掛かってくるのか ネット電話サービス悪用の可能性、スプーフィング対策方法は? (2025年03月19日)
  7. ドコモ新料金で日本の「20GB」はまた値上げ? 「複雑」との批判あるも、残された「選択肢」に要注目 (2025年04月26日)
  8. ahamoは死なず続投、ドコモ新料金「MAX」「20GB」など一挙投入 ポイ活で毎月最大5000p還元 (2025年04月24日)
  9. 「当面はNintendo Switch 2を店頭販売しない」――任天堂が案内 その店舗はどこ? (2025年04月24日)
  10. まもなく大型連休 実は「ゴールデンウィーク」って登録商標なんですよ (2025年04月26日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2025年