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» 2005年04月05日 20時34分 公開

「携帯に本物の手触り」〜輪島漆のカスタムジャケット

「本物の漆の質感を若い人たちに伝えたい」──こんな思いから生まれた輪島漆のカスタムジャケットが登場する。技法は“蒔地”と“上塗り塗りたて”を採用、ひとつひとつが職人の手塗りで仕上げられている。

[後藤祥子,ITmedia]

 輪島キリモト・桐本木工所が、NTTドコモ北陸の企画協力のもと輪島漆のP901i用カスタムジャケットを製作、4月中旬から販売を開始する。

 「蒔地」「上塗り塗りたて」の2種類の技法を使った5タイプのカスタムジャケットをラインアップ。「蒔地」は「黒」「うるみ」(茶系)「ベンガラ朱」(落ち着いた朱)の3種で価格はそれぞれ1万500円。“上塗り塗りたて”は、「赤口朱に朱の唐草漆絵」「黒に黒ストライプ」の2種で、価格はそれぞれ1万2600円。ひとつひとつが職人の手塗りによる手作りで、それぞれ15枚から30枚の販売を予定している。

 「蒔地」は、輪島産の珪藻土を焼成粉末加工した「地の粉」と漆を掛け合わせて塗り込む手法で、ざらついた手触りが特徴。漆と馴染みのよい地の粉が乾くと、ガラス繊維に近い強度を得られるという。

 「上塗り塗りたて」は、輪島の上塗り師が女性の髪の毛から作られる毛足の長い刷毛で、たっぷりとした厚さを保ちながら塗り上げており、上塗りの上には輪島の蒔絵師による漆絵が描かれる。地と同じ色で漆絵を描く技法は、江戸時代に刀のさやに塗られていた漆の変わり塗りというものだ。

 「蒔地」の技法を使ったカスタムジャケット


 「上塗り塗りたて」の技法を使ったカスタムジャケット

 製品は輪島キリモト・日本橋三越店および「ギャラリーわいち」で取り扱うほか、桐本泰一個展や輪島キリモト企画展での販売も予定している。

毎日使うものだから、本物の手触りを

 輪島漆のカスタムジャケットを手がけたのは輪島キリモト・桐本木工所の桐本泰一氏。創作テーマに「漆を携帯する」ことを掲げ、これまでも携帯ストラップや名刺入れ、ピルケース、アクセサリーなどを製作している。

 輪島漆のカスタムジャケットが生まれたのも、「きっかけは漆の名刺入れだった」と桐本氏。NTTドコモ北陸のスタッフと名刺交換する際に、漆の名刺入れを見せたところ、「この漆塗りをカスタムジャケットに展開できないか」と持ちかけられた。

 「木に漆塗りを施すことを基本と考えてきたので、少々とまどったが、木を地にすると(カスタムジャケットとしての)強度が保てない。樹脂の上に塗る場合でも、ある手法を使えばしっかりとした漆塗りが可能であることが分かっていたので、思い切って取り組むことにした」(桐本氏)

 桐本氏の作品は20代から40代と、比較的若い世代に支持されているという。「“毎日使うものだからこそ本物を”と望む人も多い。このカスタムジャケットを通じて、本物の漆の質感を若い人たちに伝えたい」(同)

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