モバイルEC経験者、68%にアップ──ドコモ・ドットコムに聞く

» 2005年05月20日 22時34分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 携帯電話を使ってショッピングを行う、モバイルECの経験者が徐々に増加している。ドコモ・ドットコムが調査会社インフォプラントに委託して行った調査によると、iモードサイトを利用しているユーザーの67.9%が、モバイルショッピングの経験がある。

 「1年前は47%程度だった。20%弱伸びている」と、ドコモ・ドットコムの原田由佳社長は話す。

67.9%という数字は、オークションやチケット予約を除いたもの。「物品の購入」に限っての数字となる

 23〜29歳の年齢層は、ショッピング経験率が特に高い。「iモードのアクティブな層であり、クレジットカードも持っている。仕事もしているので、(忙しくても気軽に使える)“携帯でショッピング”が進んだのではないか」(原田氏)

 今回の調査は2月11日から17日にかけて、iモードサイト上で行われた。iモードサイトを日常的に利用しているユーザーを調査対象としているため、一般的な調査に比べてモバイルECサイト経験者の比率が高い。

パケット定額制が追い風

 ユーザーが持っている携帯の特性を見ると、モバイルECが今後どのように伸びていくかが分かるかもしれない。

 ショッピング経験者のうち、半数をFOMAユーザーが占めた。ドコモ契約者全体のうち、FOMAユーザーは25%程度に過ぎない。「(ショッピングなどに)アクティブなユーザーは、FOMAにシフトしている」と原田氏は見る。

 FOMAの中でも、特にパケット定額ユーザーほどショッピング利用が活発だ。同調査で、携帯電話ショッピング利用歴1年以上の人に利用頻度の増減を聞いたところ、「始めた頃と比較して利用頻度が増えたという人は、定額ユーザーで41.5%、非定額ユーザーで26.3%とかなり差が開いた」(ドコモ・ドットコム)という。

急上昇する、ショッピングサイトの売上げ

 ユーザーの利用が増加すると共に、ショッピングサイトでも売上が急上昇している。iモード公式サイトのMAGASeekでは2003年秋から売上が拡大し、月商1億円を突破するに至った。

 「MAGASeekでは前年比170%のペースで売上が拡大、バンダイの『海外ブランドセール』では150%のペースで売上が伸びている」(原田氏)

 こうした利用者は“お試し”ではなく定着してきているようだ。継続利用意向は、30〜39歳の層で89%だったのをピークに、ほぼすべての年齢層で7割を超えている。また、FOMAユーザーではさらに利用意向が強く、83.6%に達した。「今後のモバイルショッピング市場の拡大については、FOMAユーザーが大きな役割を果たしていくと考えられる」(ドコモ・ドットコム)

ショッピングサイトを伸ばすためには

 今後のさらなる拡大が見込まれるモバイルECサービスだが、ショッピングサイト運営面からはどのような見方ができるのだろうか。

 原田氏は「サイト数もユーザー数も増えているが、実際にモノを買うのは、PCサイトや紙のカタログにはかなわない」と、携帯サイトを立ち上げただけではいけないと注意を促す。

 携帯サイトならではの強みをどう生かすか。答えの1つは、カスタマイズとリコメンドだ。ユーザーの嗜好は多様化しており、例えば携帯のメールマガジンを使えば、各人の好みにカスタマイズした情報を提供できる。

 いつでもどこでも購入できることも携帯の強みの1つだ。ドコモ・ドットコムの山根亨子氏は、「テレビで出たものがすぐに買える。限定商品が買える。今すぐにiモードで買うとお得。そういった見せ方が大事」だと説く。

 「悩んで買うよりも、衝動買いがモバイルには合っている。そこをもう一押しすること」(山根氏)

 現在のところモバイルECサイトは女性対象の商品を扱うところが多い。男性向けはこれから立ち上がる。遅れてきた男性向け商品にも注目だ。

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