“光るカスジャケ”はこうして生まれた──「P901iS」(1/2 ページ)

» 2005年06月06日 20時09分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 「P901iS」(5月17日の記事参照)の注目点といえば、やはり進化したカスタムジャケット。本体に7×7のLEDを並べたドットエリアを設け、各種カスタムジャケットと組み合わせることで、色と光によるさまざまな演出を楽しめるというものだ(5月17日の記事参照)

 進化したカスタムジャケットをまとって登場する「P901iS」

 この新たなアプローチのカスタムジャケットは、どのようなプロセスを経て生まれたのか──。商品企画グループで主任を務める周防利克氏に聞いた。

 「SD-Audio機能も、ぜひ試してください」と話す、商品企画グループの周防利克主任。音楽機能については、“これさえ読めば音楽機能を使える”という解説リーフレットを同梱するという

ハードとソフトの融合で新しい表現を

 「P901iSのキーワードは『感性』。ユーザーの感性に訴えかけるカスタムジャケットはどんなものなのか」──ここから新しいカスタムジャケットの開発がスタートしたと周防氏。それを探るために、改めてカスタムジャケットが評価された理由を分析したという。

 「カスタムジャケットは多くのユーザーに受け入れられたが、基本的には特別なことをやったわけではない。“ジャケットが本質”ではなく“カスタマイズというもの自体”が、ユーザーに響いたということ。それならカスタマイズの価値をさらに高めることがユーザーに響くポイントにつながる」(同)

 こうした視点で考えたときに挙がってきたアイデアが“ハードとソフトの融合”。「これまでハード面のみのカスタマイズだったものを、ソフト面の進化と組み合わせたら、もっと面白い表現ができるのではないか」(同)──こうして生まれたのが、光とジャケットを組み合わせるという新しいアイデアだった。

 「ジャケットはカンバス。下から透けて見える光が絵を描き、さまざまなパターンで動く。ユーザーは好きな光り方とジャケットを組み合わせることで、自分好みの携帯にカスタマイズできる」

シンプルなLEDは“逆転の発想”

 「本体側をどう光らせるか」──。このアプローチについての開発陣の考えはユニークだ。「ドットの数が少なければ少ないほど、このアイデアが象徴的に生きる」。いわば逆転の発想だ。

 「これまでサブディスプレイは、“もっとドット数を多くしよう”“カラーにしよう”といったように、表現力を豊かにする方向で進化してきた。しかしこれは、実用重視の考え方。感性に訴えかけるなら、色も1色でいいしドット数も少ないほうがいい。そのほうがアナログ感が出て、感性を重視するユーザーには響くと考えた」

 あえてシンプルなドットにした背面のLED。光パターンは自作も可能だ。ドット絵は「最初の1枚さえ作れば、それを揺らしたりシェイクさせたりといった動きを付けられる」(周防氏)

 そうはいっても、あまりに少ないドットでは何も表現できない。7行×7列のLEDに落ち着いたのは、「左右対称のセンターが置けるように奇数にすることが1つ。もう1つはアルファベットと数字をすべて表示させるために、最低限この数のドットが必要」という理由からだ。

 どのタイミングで光らせるかも、議論した部分だと周防氏。「四六時中光っていたのでは、インパクトがない。今回は、携帯電話に何かきっかけがあったときに光らせている」(同)。通話やメールの着信時、端末を閉じたとき、サイドキーを押したとき、鳩時計のようにきりのいい時間で──。考えられるすべてのきっかけに連動するよう、技術陣に対応してもらったという。

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