音楽などのマルチメディア機能を持ったハイエンド端末「Nseries」に続いて、やはりマルチメディア機能を持つW-CDMA端末「Nokia 6280」を発表したフィンランドのNokia(6月13日の記事参照)。これらの端末は日本市場に投入されるのか、そして同社は日本市場をどう見ているのだろうか。
先日シンガポールで開催された「Nokia Connection 2005」会場で、Nokia マルチメディア アジア太平洋地域のセールス・チャネル マネージメント部門副社長、マウロ・モンタナーロ氏にインタビューする機会を得た。同社の考えを聞いてみよう。
ITmedia まずは、Nokia 6280といった端末とNseriesがどのように棲み分けるのか、改めて教えてください。
マウロ Nokia 6280は、マスマーケットをターゲットにしたものだ。オペレーターから「高機能の端末だけでなく、より安価な製品を」という求めもあり、開発した。
一方のNseriesはハイエンドなパフォーマンスを実現する、トップクラスの端末。6280は、Nseriesを補完するものになるだろう。
ITmedia 6280にしても、Nseriesにしても、W-CDMAに対応した端末です。日本市場へのリリースも考えられるところで、実際にNseries発表会場では日本市場を意識した発言もあったようですが(4月28日の記事参照)、投入時期はいつごろになりそうですか。
マウロ W-CDMA対応ということは、ドコモとボーダフォンからリリースされる可能性がある。交渉を行っていることは事実で、我々として日本向けに出したいということは考えている。
ただ、現段階ではどの製品が、いつから発売されるということはできない。(「Nokia 6630」が「702NK」という名称になったように)ナンバリングも変わるかもしれないし、「Nseries」というブランド名も変更になるかもしれない。
ITmedia 日本市場での702NKの売れ行きをどう見ますか。一般に、ボーダフォンの2004年冬商戦向け3G端末群は、それほど成功ではなかったと受け止められています。
マウロ 大成功ではなかったかもしれない。だが、これはまだ最初の端末。マラソンでいうなら、最初の1キロだ。現在は学習しているところだ。
端末のクオリティには我々として満足しているのだが、日本ユーザーの要求は厳しい。ユーザーインタフェースが異なるということもある。(Nokiaが得意とする)小売店でのマーケティング活動では、きちんとユーザーをサポートできるようトレーニングを行っているところだ。
ITmedia 国内端末とのユーザーインタフェースの違いは、海外端末がふるわない原因のひとつと言われています。実際、ボーダフォンの津田志郎会長もユーザーインタフェースは修正できるところは修正する、という主旨の発言をしているようです(4月18日の記事参照)。
マウロ ユーザーインタフェースの件は、私より白男川(同席した同社マルチメディア アジア太平洋地域のイメージング ビジネスユニット プロダクト・マネージャー、白男川亜子氏)が専門だ。
白男川 Series 60のユーザーインタフェースは、中身のロジックに慣れれば受け入れられると考えている。6630にしても、テストしてみるとユーザーは最初は分かりにくさを感じるようだが、やっていくうちに「使い勝手もよい」と肯定的な評価をするようだ。
最初の入り口のところで、とっつきやすくするような努力をしなければならない。
ITmedia 話は変わるのですが、今後の携帯はHSDPAやWiMAXといった新技術に対応することも重要になります。NokiaがWiMAXでIntelと提携するという発表もありましたが(6月10日の記事参照)、今後はどのように端末を開発していくのですか。
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