ボーダフォンが発表した「703SH」「903SH」は、これまでの同社3G端末の課題のクリアを目指した端末だ。
「(ボーダフォンの3Gは)使い勝手が通常の端末と違うという指摘をいただいている。これを受けて、03シリーズから日本のユーザーの使い勝手に意識をした作り込みをしている。とりわけ、メール、電話帳の部分がキーだ」と、プロダクト企画部の森一幸氏。
2004年末に投入した3G端末「02シリーズ」では、欧州向け端末と共通の操作性を盛り込んだために、日本のユーザーからは操作性に不満の声が大きかった(5月25日の記事参照)。今回の「03シリーズ」ではその見直しが最も大きな改善点となる。
特に利用頻度の高い、メールと電話帳を中心にUIをブラッシュアップ。時刻がピクト行に常時表示されたり、アイコンの絵柄も日本向けに修正するなど、ほぼPDC端末と遜色ないものに仕上げた。
ただし03シリーズでも、スペックとしてはグローバルの統一仕様をベースにしている。海外向けに展開する場合、UIを海外仕様に変更する形を取るという。
03シリーズのもう1つの特徴が、AAC+を使った「着うたフル」に正式対応したこと。02シリーズでも実質的にフル楽曲の提供が行われていたが、コーデックがAACだった。KDDIと同じAAC+の着うたフルに対応することで、音質の向上のほか、楽曲数の大幅アップが見込まれる。
「02シリーズでもフル楽曲が提供されていたが、限りがあった。今回AAC+のサポートを行うことで楽曲の広がりがある」(森氏)
8月中旬以降、MLJの「アーティスト公式フル」やゼットの「BEING GIZA STDIO FULL」、レーベルモバイルの「レコード会社直営♪フル」「絶対!洋楽フル」が楽曲を提供する予定になっている。
ボーダフォンは、今後秋に向けて複数の03シリーズを投入していく予定。ただし一部海外端末などでは、UIや着うたフルへの対応が間に合わないものもあるという。
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