N701iの魅力を動画ブログで伝える〜謎の集団「N701i,inc」とは?

» 2005年10月27日 14時54分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 最近、企業が自社製品のマーケティングやプロモーションにブログを利用する動きが活発だ。しかしオリジナル映像をアップする“動画ブログ”を、それも毎日更新する――となると事例は少ない。「N701i,inc」は、そんな稀な活動を行うグループだ。

Photo N701,incのサイト。動画はFlash Playerで再生する方式だ

 N701i,incとは、4人の社員が所属する架空の会社。社員の名前はそれぞれ、N701iのカラーにちなんでオレンジ、ブラック、ホワイト、ライトブルーとなっている。この4人がN701iに連動して、各種の「ワクワクすること」を世の中に仕掛けていくという流れ。サイトはNECが協賛し、放送作家の小山薫堂氏がプロデュースするかたちで運営されている。

 ITmedia編集部にオレンジさんとブラックさんの両名が訪問してくれたので、サイトの詳細を聞いてみよう。

Photo 左から、正義を愛する熱血漢のブラックさんと、沈着冷静なオレンジさん。このほかに「夢見る乙女」のホワイトさんと、「いつも陽気なムードメーカー」のライトブルーさんがいるという

ITmedia まずは、ITmedia読者に簡単に自己紹介してください。なぜ、N701i,incに入社しようと思ったのですか。そしてこれまでどんなワクワクを仕掛けてきましたか。

ブラック N701i,incのコンセプトに賛同して、入社希望を出しました。世の中にいろいろなワクワクを仕掛けられるのは、大人だけれど子供じみた心を持った僕しかいない、と。

オレンジ ワクワクを仕掛けるのは、基本的にリーダー(小山薫堂さん)から電話で指令を受けて、それを実行していきます。でもこの指令というのが、ほとんど無茶なんです。「雑然としたオフィスに癒しをもたらせ」とか(笑)。それでみんなでどうしたらいいかアイデアを考えるんです。

ブラック あれは大変だった。結局「鈴虫をつかまえてオフィスに届けよう」ということになったんですが、捕まえるのが難しくて……

オレンジ 最後にオフィスに持っていったときは、「邪魔だよ」みたいな顔されてましたけど(笑)

ITmedia これまで一番大変だった指令は?

オレンジ ドミノですね。このテーブル(会議室の大テーブル)ぐらいの場所にドミノを並べていくんですけど、どんなドミノの“絵”にするか下書きしたり、とにかく時間がかかるんです。並べていくと、各メンバーの隠れていた性格が分かったり……

ITmedia 実は性格が悪かったりとか。

オレンジ 全員まあまあ悪かった(笑)

ブラック いやいや(笑)絆が深まりました

ITmedia 有名人と絡んでワクワクを仕掛けられているケースもあるようですね。

ブラック 元野球選手の広沢克己さんの日程を調整してもらって、連敗続きの草野球チームを救え! というワクワクを仕掛けたこともありました。1打席だけ広沢さんが代打に立つというもので、結果は三振でしたが……(苦笑)。ほかに、元Jリーガーの三浦泰年さんに草サッカーチームを救ってもらうという企画もあって、こちらはパーフェクトでした(チームを勝利に導いた)。

オレンジ 大食いフードファイターのジャイアント白田さんを連れて行って、閉店間際のおすし屋さんのおすしを完食するという企画があって、これも大成功でした。

ITmedia 企画を続けていて、各メンバーのチームワークなどはどうですか。変化がありましたか。

オレンジ 日がたつにつれて、本来のキャラが出てきました。私は、クールな女性という役割だけど実は子供っぽかったり、ブラックはしっかりものという設定だけど実は頼りなかったり(笑)。ホワイトは夢見る少女という設定なのに、本当はしっかりしていて。

ITmedia 毎日ブログを更新されているN701i,incですが、10月31日に最終回を迎えるようです。フィナーレに向けて意気込みなどはありますか。

ブラック 9月16日から毎日更新してきて、10月31日の46回目で最終回です。N701iがあった、という思い出を残せるものにしたいですね。

(文中敬称略)

運営側で一番大変なのは「毎日更新すること」

 サイトの運営を手がけるバディーズの松山泰士氏は、サイトの狙いを“バイラル”(=感染する)だと話す。製品および製品プロモーションが口コミで広がっていくような仕掛けをすべきで、その中でソーシャルネットワークサービスやブログは見逃せない存在になっているという。


 「こうした仕掛けが面白い、と一部で話題になっている」(同氏)。一定の手ごたえを感じているという。

 運営上苦労するのは、やはり毎日継続して更新しなくてはいけないこと。「タイトなスケジュールなので、映像の編集が間に合わなかったりする。それに、1回でも面白くない回が入るとユーザーは続けてサイトにアクセスしなくなってしいまう」。三振せず、ヒットを打ち続ける必要があるという。

 配信してきた動画コンテンツは、有名人が絡む回を抜き出してBSデジタル放送「BS FUJI」で放映したりもしているとのこと。今後は、最終回を「感動的なもの」(同)にすべく準備を進めていくとした。

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