「902i」の“レスポンス”をチェックする(1/9 ページ)

» 2005年10月28日 03時52分 公開
[+D Mobile取材班,ITmedia]

 ドコモの902iは機能面ではハイエンド。しかし忘れてはいけないのが、どのくらいキビキビと操作に対して反応するかだ。読者からのメールでも、902iで最も気になるのは操作に対するレスポンスだという声が多数を占めた。

「一番知りたいのは、遅いとよく言われる90xシリーズの動作レスポンスです」

「通常の画面やメール画面の実行速度やレスポンスの速度。もっさりしている機種は買いたくない」

「とにかくレスポンスの具合!これに限ります。機能が良くても処理が遅いんじゃ、話になりません」

「とにかくFOMAの動作レスポンスの速度がどれだけ違うのか?」

 まずは背景を解説しておきたい。ムーバ時代にはレスポンスについて不満のなかったドコモ端末だが、FOMAとなってからは操作に対する遅れが目立つようになった。理由は大きく2つある。

 1つは各機種共にCPUとしてテキサス・インスツルメンツ(TI)のOMAPプロセッサを採用してきたこと(3月29日の記事参照)。OMAPが遅いという意味ではなく、処理が追いつかないからといって勝手にパフォーマンスを上げることが難しいチップ構成となった。以前のFOMAは、機種によっては処理速度向上のため、OMAPのほかに別途「SH-Mobile」を搭載したり(7月13日の記事参照)、ATIなどのグラフィックス専用チップを積んだりした機種もあるほどだ。

 2つ目は、ソフトウェアの複雑化に伴い、汎用OSを採用したこと。これまでのメーカー独自のリアルタイムOS(RTOS)とは違い、汎用OSは自由な作り込みが難しい。マルチタスクが可能になるなど、OS自体の機能も向上しているため、処理速度に影響が出る場合もあった。基本的には同じCPUを使っているため、汎用OS組は動作が重くなる。下表を見てもらえれば、だいたいの傾向がつかめるだろう。

メーカー 900i 900iS(VT) 901i(C) 901iS 902i
NEC RTOS Linux OS
パナソニック モバイル RTOS Linux OS
富士通 Symbian OS
三菱電機 RTOS Symbian OS
シャープ RTOS RTOS Symbian OS
ソニー・エリクソン Symbian OS

902iのレスポンスを動画でチェック

 902iでの見所は大きく2つある。1つは早くから汎用OSを採用していたメーカーが、どこまでチューニングしてきたか。特にNECとパナソニック モバイルが採用するLinux OSは世代を重ねるごとに改良が進み、目に見えて速度が高速化してきた。901i(C)あたりのレスポンスから比べると、902iは雲泥の差だ。

 2つ目は、今回初めてSymbian OSを採用するシャープとソニー・エリクソンが、どの程度までチューニングできてきたかだ(10月19日の記事参照)。同じSymbian OSでも富士通と三菱電機がほぼ同等のユーザーインタフェース(UI)を搭載してきたのに対し、シャープとソニー・エリクソンはそれぞれ独自のUIを積んできている。また両社ともレスポンスを非常に重視してきたメーカーだけに、既存ユーザーにとっては変化が気になるところだろう。

 次ページから、動画で5機種のレスポンスを見ていく。ただし、「SO902i」に関しては動作する試作機が試せなかった。また、ほぼ最終製品の機種もあると思われるが、今後さらにチューニングが進む可能性も残っている。あくまで現時点での結果だ。製品版で改善が見られたものに関しては改めてフォローしたい。

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