ドコモが来春のリリースを予定している「SA800i」(11月24日の記事参照)は、「子供を守る」ための各種機能を装備した三洋電機製のキッズ携帯だ。9月に発表したGPS携帯「SA700iS」(9月26日の記事参照)をベースに、付加機能を盛り込んだ。
厚さ27ミリ、重さ123グラムというスペックを見ると、子供向けにしては大きく重い感もある。しかし、実際手にしてみると、ホールド感を重視したという丸みを帯びたボディのおかげか、持ちづらいという印象はさほど受けなかった。デザインを担当したクリエイティブディレクターの佐藤可士和氏は「ボディ形状も繭のように、中央を少し絞っている。こうした小さな工夫の積み重ねで持ちやすくしている」と説明する。
背面に直径24ミリのスピーカーやカメラ、撮影補助用ライト、モノクロ背面液晶、着信通知ランプなど多数のパーツを備えるが、「デザインの工夫ですっきり見えるようにした」(佐藤可士和氏)
ダイヤルキーも凝っており、発話キーと終話キー、クリアキー、ダイヤルキーは、繭型のデザイン。それぞれのキーの確認音には「ド」「レ」「ミ」「ファ」「ソ」「ラ」「シ」「ド」の音が割り当てられ、ちょっとした音遊びができる仕組みだ。キーの色も、ミントは発話キーと終話キー、クリアキーが薄い青、トリコは青と黄色とオレンジに塗り分けられ、アクアはダイヤルキーをグラデーション処理するなど、異なるタッチにしている。
SA800i最大の特徴が、子供を守るための機能。底面にはスライド式のブザーが装備され、ボタンをスライドさせると100デシベルの大音量でブザーが鳴る。端末にはあらかじめ3件までの緊急時連絡先を登録でき、ブザーが鳴ると当時に電話とメッセージRで非常事態を伝えることができる。ブザーの鳴動自体はスライドを元に戻すと鳴りやむが、電話とメッセージは15分おきに通知を続け、端末の電源をオフにしても通知し続ける。通知は親が設定したパスワードを入力するまで終了しない仕組みだ。
子供が犯罪に巻き込まれた際に、犯人にバッテリーを抜かれる可能性にも配慮して、同梱の特殊なレンチを使わないとバッテリーをはずせないようにしている。
また勝手サイトへのアクセスや利用時間を親が任意に設定できる「キッズiモード」に申し込むことで、出会いサイトなどへのアクセスも防げる(6月24日の記事参照)。
メインターゲットを小学生としていることから、使いやすさにも目を向けている。発話キーに割り当てられた「直デン」は、押すとあらかじめ登録した5人までの相手に、簡単操作で電話やメール、居場所の通知などを行える。
待受画像は「子供のイメージがふくらむような」(佐藤氏)絵本を思わせる絵柄を佐藤氏がデザイン。着メロの選曲にもこだわり「ロック」「ボサノバ」「サンバ」「アイリッシュ」など、各国特有の音楽をイメージさせる曲をプリセットしている。待受画像も音楽も、“子供たちがクリエイティビティを発揮するきっかけになるようなものを入れたい”という佐藤氏の考えが反映されている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.