キッズケータイ「SA800i」は子供の“お守り”

» 2005年11月24日 16時55分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 「SA800i」は、「子供にとってお守りみたいなものになる」。端末全体のデザインを手がけたクリエイティブディレクターの佐藤可士和氏は、11月24日の発表会でこのように説明した。

 キッズケータイという名称で販売される、三洋電機製のこの端末は、子供を対象とするにあたり機能を削ることなく、独自の機能を追加した。ベースとなっているのは同じく三洋製の「SA700iS」だ。

 佐藤氏は幼稚園のリニューアルプロジェクトなどにも関わり、デザインの視点から新しい教育のあり方に取り組んできた。「結果的には端末をデザインしたが、僕としてはドコモの取り組みをデザインしたつもり」だと佐藤氏。

 SA800iは、スペックとしては大きく見えるが、これは形状がまゆ型であるため。手にフィットして持ちやすいものを目指した。外見だけでなく、着メロや壁紙も同氏がデザインしている。

5つの機能で子供を守る

 SA800iの“子供を守る”機能は、大きく6つのポイントがある。想定した利用者は主に小学生。子供を襲う犯罪者の行動を研究して機能を実装した。

 1つ目は、100デシベルという大音量のブザーを搭載したこと。ストラップホール付きのスライドスイッチを搭載し、ストラップを引けばブザーが鳴り響く。直径24ミリのスピーカーからは、2パターンの音色が繰り返される。これまでも「F700iS」「FOMAらくらくホンII」などブザーを搭載した端末はあったが、これらは70デシベル。音圧としては約8倍となる。

 ポイントは、ブザーと併せて設定した保護者に電話やメールが発信されることだ。「緊急通報です」という音声の電話が自動的に発信され、さらにGPSが自動で位置測位を行い現在の場所をメールで送信する。スライドスイッチを戻せばブザー自体は止まるが、電話やメールは止まらない。

 2つ目は、電源をオフにしても各種機能が動作することだ。「子供を襲った人は携帯の電源を切ってしまう」とNTTドコモマルチメディアサービス部長の夏野剛氏。こうした事態に対応するため、SA800iは暗証番号を入れずに電源をオフにすると、GPSを使った現在位置を自動的にメール(メッセージR)で送信。さらに15分おきに自動起動し位置を連絡し続ける。

 犯罪者がバッテリーを抜いて自動起動を阻止しようとしても、専用工具がないとバッテリーが取れない設計としている。

 3つ目として、発話ボタンに「直デン機能」という簡易電話帳を割り当てた。au端末の「ペアダイヤル」に似ており、よくかける5人分に対して、電話やメールなどが簡単に発信できる。1番を母親にしておけば、発話ボタンを2回押すだけで母親に電話がかかる。

 4つ目は、子供用に漢字をひらがなで表示した「キッズモード」を備えたこと。暗証番号は保護者用と子供用の2種類が用意され、緊急発信などを解除する暗証番号は保護者用が必要な設定になっている。

 ロック機能も充実しており、端末を閉じるごとにロックがかかるクローズロックや、PIMロック、オールロック、遠隔オールロックなどの機能を備える。

 5つ目は、子供専用のiモードメニューである「キッズiメニュー」だ(6月24日の記事参照)。7月からサービスを提供しているもので、URLフィルタリング機能により出会い系やギャンブル系サイトへのアクセスを禁止したり、夜22時から朝6時にかけてWebアクセスを制限したりすることができる。

 キッズiメニュー専用のコンテンツも用意する。コンセプトは「安心で楽しくてシンプル」だと夏野氏。「今回、(子供向けは)とりあえず1機種だが、コンテンツプロバイダーに声をかけたら100コンテンツ以上が集まった」

自らも父親だという夏野氏

GPS対応機種は随時増加

 今回のSA800iが2機種目となる、FOMAのGPS対応端末だが、ドコモは今後GPS対応機種を随時拡充していく方針だ。「比率はこれから増えていく。ただし普通に載せていくだけでは使ってもらえない。(イマドコサーチのように)敢えてGPSが付いていなくても使えるサービスを用意し、エントリーバリアを減らした」(夏野氏)

 GPSへの対応とサービスの提供では、KDDIが先行している。既にGPS搭載端末は1464万と契約者の7割に達している(11月8日の記事参照)

 2007年4月以降、総務省は緊急通報に関係して3G携帯電話にGPS機能を義務づける方針を打ち出している(10月18日の記事参照)。今後、各キャリアはGPSをどうサービスに生かすかが課題となってきている。

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