「P902i」の基本機能を試す──アドレス帳・日本語入力・メール編(3/3 ページ)

» 2006年01月10日 17時50分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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細かな機能改善と速度の向上――アドレス帳、メール機能

 アドレス帳は基本的には大きな変更はない。一覧から数字キーでショートカット呼び出しできる代わりにタブ表示をサポートしない点は、P901iSと同じだ。N902iが変則的ながらタブ表示をサポートしたことを思うと評価の難しいところだ。ただしアドレス帳の呼び出しは、下キーを押すたびに検索方法の選択画面が表示されるのではなく、最後に利用した検索方法の画面が表示されるようになった。検索方法を変更したい場合は一度クリアキーを押せばよい。

アドレス帳はP901iSから大きな変更はない。10件ずつの表示で数字キーを使ったショートカット呼び出しが可能な点が特徴だが、代わりにタブ表示はサポートしない。なおメニューにはプッシュトーク用のアドレス帳が追加されアイコンタイプに変更されたが、P901iSでは1画面だったものが2画面に分割されただけで、特にメリットは感じられない

 メール機能も基本的に機能面で大きな変更はない。ただし細かな点での改善は図られており、使い勝手は向上している。メール新規作成時に宛先を選択すると、アドレス帳や送受信履歴などを参照するか直接メールアドレスを入力するかの選択ウインドウが表示されるようになった。またメールメニューがP901iSのリスト表示からアイコン表示なり、未読メールがあると受信メールのアイコンに「New」が表示されるようになっている。自動振り分け機能は題名での振り分けが可能な点は便利だが、ドメイン名での振り分けや、メールアドレス部分一致での振り分けはサポートしていない。

宛先入力は直接入力から参照機能を呼び出すのではなく、先に入力方法を選択する方式に変更された。自動振り分けは題名でも行えるなど強力な部類に入るが、メールアドレスでの振り分けは完全一致のみだ

 P902iで改善されたといえるのは、やはり動作のレスポンス面。メールでは一覧表示のまま本文の先頭部分を表示する機能をP901iSでも備えていたが、この機能を有効にするとフォーカスの移動に時間がかかり、さほど実用的ではなかった。例えば一覧表示で下キーを10回押して10件目のメールに移動しようとして素早くキー操作をすると、操作してから1〜2秒後にようやく10件目のメールにフォーカスが移動するという処理速度だった。これがP902iでは、ちょっと遅れる程度まで改善され、ストレスを感じなくなった。本文表示機能が無効の状態でもP902iの方が高速なのは、体感ではっきりと分かるほどだ。

メールでは一覧画面を2分割し、一覧のまま下半分にフォーカスしているメールの本文の先頭部分を表示することも可能。一覧を1行表示にすれば6件ずつの一覧と本文表示の組み合わせでも表示できる

基本機能の不満は残るが、速度改善は著しい

 P902iでは文字入力の大幅な改善が進んだといっていいだろう。P901iSまで採用していたT9の良し悪しは別として、より一般的な日本語入力となったことは事実だ。

 候補選択のユーザーインタフェースはPDCの同社製端末と共通のデザインであるなど、“P”のPDC端末を利用しているユーザーにも配慮している。F902iやD902iが採用している「ATOK+APOT」に比べて「Advanced Wnn」は、初期状態での辞書の作り込みという点でかなわない印象はあるが、この点は使い込んでいけば学習機能でカバーされるはずだ。少なくともT9採用端末以外からの買い替えユーザーには意味のある改善点といえるだろう。

 またP901iやP901iSと比べた場合の処理速度の改善は著しい。OSをLinuxに変更したP901iから処理速度でストレスを感じることが多かったが、P902iではキー操作に対する反応の遅れもわずかとなり、ほとんどの場面で大きなストレスを感じることはなくなった。902iシリーズではプロセッサの処理能力が強力になった点が大きいと思うが、もちろんソフトウェア面での改善も進んでいるのだろう。

 OSに同じLinuxを採用するN902iと比べると軽快感では若干見劣りする感があり、901iSまでのシャープ端末のような“サクサク感”には到達していないが、これまでほど大きな不満を持つ人は少ないだろう。コンパクトで軽量、Bluetoothで音楽を聴けるといったハードウェア的な特徴を加味すれば902iシリーズの中でも十分に魅力のある端末であることは間違いない。

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