スペイン・バルセロナで開催された「3GSM World Congress 2006」では、最新のiTunes搭載携帯「SLVR L7 with iTunes」、欧州iモード向けの「SLVR L6」同「L7」などの新機種を発表、ストレート型のSLVRラインを強化した。そのほかにもFMCサービス向けのUMA/無線LANとGSMのデュアルモード端末「A 910」などの携帯電話を発表している。
同社モバイル端末事業部欧州担当戦略・ポートフォリオディレクターのアンドリュー・ティル氏に、端末分野の戦略について話を聞いた。
──Motorolaは、この2年で2位に完全にカムバックしました。やはり「RAZR」の成功が大きかったのでしょうか?
グローバルにアピールする端末を提供することができ、現在、2位の地位を固めたほか、1位との差も縮めています。
われわれがカムバックを果たしたのには、さまざまな要因があると思います。これまでばらばらだったPRチームとデザインチームがしっかり連携したことは、大きかったと思います。素晴らしい端末を、それに呼応するコミュニケーションメッセージで包む、これだけでユーザーの反応は変わりました。Motorolaの広告を見るとお分かりの通り、現在明確なターゲットに明確なメッセージを伝えています。
もちろん、われわれの考え方も変わりました。3年前なら、厚さ15ミリ以下、世界で最もクールな端末、これまで使ったことのない素材を使って……、などとデザインチーム側が提案しても、できない理由を考えていたと思います。製品は、それを作り出す組織や社員を反映します。いまは、業界のリーダーになる、革新的になりたいなら、社員全員がどうすればなれるかを考える組織になったと思います。RAZRを見ればお分かりでしょう。これには、CEOのエド・ザンダーの影響も大きいといえます。エドが就任して以来、あれこれやる企業ではなく、明確な事業フォーカスを持つようになりました。
──現在のフォーカスはどこにありますか?
いくつかありますが、シームレスモビリティとエクスペリエンスがあります。シームレスモビリティは、消費者の生活をシンプルにするものです。われわれは、以前にも増してさまざまな技術に囲まれ、人、環境、ネットワークと相互に接続しています。ユーザーが望んでいるのは、CDMAなのかGSMなのか、3GなのかHSDPAなのか、無線LANなのかBluetoothなのか、などと心配することなく動くことです。無線を気にせずに通話ができてコンテンツが楽しめる。シームレスネットワークとは、技術や無線を取り込んだ環境で、ユーザーの生活をシンプルにするものです。
エクスペリエンスの例が音楽です。音楽端末は強化している分野で、初代「ROKR」から「ROKR E2」に移行ではステレオBluetoothをサポートしました。これでジョギングしながら音楽を聴き、車を運転しながら通話したり、音楽を聴くこともできます。また、音楽を購入することもできます。CDショップにいくことなく、携帯電話の音楽サービスで購入し、すぐに聞くことができます。端末が素晴らしいだけでなく、素晴らしいエクスペリエンスを提供することも同じくらい大切です。
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