GPS搭載のFOMA端末。そんな紹介のされ方をすることが多い「SA702i」だが、実はFMラジオ搭載というのも注目のポイントとなる。auではFMラジオチューナーを搭載した端末は多いが、ドコモでラジオ対応端末というとPDCの「RADIDEN」(2005年9月26日の記事参照)や「Music PORTER」シリーズなど、まだ限られているのが現状だ。
三洋電機のパーソナルエレクトロニクスグループ テレコムカンパニーの国内携帯電話ビジネスユニット、商品企画二課の横田希氏に、SA702iの細かい強化ポイントを聞いた。
SA702iに内蔵されたFMラジオは周波数76MHz〜108MHzをカバーし、テレビの1〜3チャンネルも聴けるようになっている。全国47都道府県の放送局の周波数が予めプリセットされており(5月12日の記事参照)、選局も手軽だという。
FMラジオの連続聴取時間は、イヤフォン出力時で約55時間。スピーカー出力時は、約20時間となっている。FMラジオをアラームに設定することも可能で、「ラジオメモ」機能を使えばFMラジオの放送をminiSDなどに最大120分まで録音できる。
横田氏は、1つ注目してほしいのが「起動の早さ」だと話す。三洋電機製FOMAは動作がキビキビしていると定評があり(2005年8月2日の記事参照)、SA702iでもそれは変わらないが、動作の速さを最も感じられるのがラジオだ――とのアピールだ。「auのようにアプリを起動するわけではないため、押した瞬間にラジオが起動する」。実機で確認したが、確かに1秒とかからずラジオが起動した。
横田氏は、SA702iはデザインにこだわった端末だとアピールする。うたい文句は「URBAN SPORTY DESIGN」で、“休日や仕事帰りに友人や恋人と、アクティブにスポーツを楽しむ”ユーザーをターゲットにしているという。
「702iDシリーズがデザインケータイとして売り出されたが、SA702iも自社デザイナーの作品とはいえ『デザインケータイ』だという意識でいる」。持ちやすくするためにヒンジ部から下方に向かうに従って2ミリ程度細くし、またこれに合わせて切れ込みを入れたようなデザインは「スポーツウェアを参考にした」とのこと。
GPSのアンテナにFMアンテナも搭載しながら、サイズはSA700iSよりコンパクトになっているのもポイントだと横田氏。実際、スペックで比較すると約101×51×25ミリだったものが約98×50×21ミリとなり、より薄型化を実現している。
文字入力周りも強化されているのだと、横田氏は話す。三洋電機製端末はこれまでAdvanced Wnnを採用してきたが、新機種である「SA702i」と「W33SAII」はこの進化版である「Advanced Wnn α」を搭載している。
これは、語彙数を約11万5000語から約17万6000語に、また学習データ用メモリーを約32Kバイト(約900語)から約128Kバイト(約3600語)にまで増強したもの。「アルゴリズム自体は変わっていないが、三洋電機の担当者がオムロンさんと苦労して変換機能を強化した」。これによって入力は、かなり改善されたとした。
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