「手書き」より「キーボード」を望む子供たち スマホ・PCが変えた文字入力の歴史と、今こそ見直したい手書きの価値(1/2 ページ)

» 2026年05月24日 08時00分 公開
[鈴木朋子,ITmedia]

 先日、「スマートフォンよりPCでの文字入力が便利」という話題がXを駆け巡りました。スマホはいつでも手軽に入力できるメリットはあるものの、PCでキーボード入力した方が速いという意見や、文章全体を振り返る場合にはPCの方が良いという意見などがありました。

 スマホとPCのどちらが入力しやすいか、それは何の文章をつづるかによるでしょう。PCの場合は報告書や論文などに向いていますが、スマホはチャットやメモなどに向いています。それは、姿勢を整えてデスクに座り、PCを両手で打つスタイルなのか、ベッドやソファに自由な姿勢で座り、スマホを片手でなぞるかという違いもあります。

photo スマホとPCの入力方法

 振り返ると、スマホやPCが誕生する前は全て手書きでしたよね。私は先日、封筒の宛先を書く際に「久しぶりにきちんとした文字を書いているな」と少し新鮮な気持ちになりました。そこで、どれぐらいの人が手書きをしているのか調べてみました。

 クロスマーケティング「手書きに関する調査(2025年)」によると、「手書きをすることはほとんどない」と答えた人は全体で20.6%で、20代が最も多いという結果になりました。

 手書きをするシーンを見ても、「日常のちょっとしたメモ、備忘録を書く」「手帳やカレンダーに予定を書く」というように、メモ程度にとどまっているようです。そして手書き率は年代が上がるほど、高くなっています。

photo 中年の方が手書き率が高い(出典:クロスマーケティング)

 手書きが減った要因の一つは、ワープロやPC、スマホなどのデジタル機器の登場です。ワープロの正式名称は「ワードプロセッサ」。文字通り「言葉を処理する装置」です。

 今のPCのように何でもできるわけではなく、文章の作成や編集、印刷に特化した電子機器です。1978年9月26日に東芝が発表した「JW-10」は、世界初の日本語ワードプロセッサで、価格は630万円、重量220kgと現在とは何もかも桁違いですね。

 1990年代の後半になると、Windowsの広がりとともに、ワープロはPCの中の一機能へと溶け込んでいきました。インターネットが身近になったことで、見つけた情報を「コピーアンドペースト」して使う形も当たり前になっていきます。メールが暮らしに浸透したのもこの頃で、文章を紙に刷ることなく、そのまま届けるようになりました。

 そして、スマホの登場です。キーボードを使った入力ではなく、ディスプレイを指でなぞる方式で入力するようになりました。「予測変換」が表示され、全てキー入力しなくても文章が完成します。PCでも予測変換のおかげで入力文字数が削減できていますね。

 音声入力も進化しました。キーボードを打たなくても、話した音声を文字起こしすれば文章が完成します。メールやチャットだけでなく、長い文章の下書きも音声入力でカバーできるようになっています。 

 さらに最近は、生成AIに指示すれば、長い文章や資料が完成します。ますます文字入力の手間が軽減されてきています。

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