進化したアークライン──「Link Face Design」が受け継ぐ“N”の遺伝子:N902iS徹底解剖 第3回

» 2006年06月09日 00時00分 公開
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 そのデザインの優美さで、“N”FOMAの一時代を築いたのが、「アークライン」を採用した90xi系端末。電話の受話器をイメージしたという一体感のあるデザインは、多くのユーザーに受け入れられ、大ヒット端末となった。

 その遺伝子を受け継ぎ、新生“N”FOMAの新しい形を提案するのが「N902iS」に採用された「Link Face Design」。Nの歴史と最新トレンドの融合に挑戦したNEC開発陣に、N902iSのデザインに対するこだわりを聞いた。

“N”の遺伝子+新しさとは何か──「Link Face Design」

 「携帯電話をデザインするときには、“美しい”とか“使いやすい”とか、さまざまな要素を考える。ただ今回はそれだけでなく、これまで作り上げてきたNEC端末の流れやテーマ性、大げさにいうと『歴史』を重視した。過去の“N”デザインから脈々と引き継がれてきたものを、どういうふうに料理するか──という面白さがあった」

 N902iSのデザインを手掛けた、NECデザイン 企画・開発室の倉本仁氏は、そのコンセプトをこう、表現する。

 「折りたたみ携帯は、“閉じたところと開いたところ”という2つの形がある。これらをどのようにリンクさせるのか──。この考え方が“N”デザインのテーマであり、歴史の源だととらえている。その意味で『Link Face Design』で目指したところは『アークライン』と似ている」(倉本氏)

 N900iから採用されたアークラインは、端末を閉じるとすっきりとした楕円状に、開くとサイドのラインが美しい弧を描く。Link Face Designも、端末を開いたときに側面のラインや背面が、すべてなめらかにつながって見えるようにデザインされた。

 「アークラインは『線』がつながっている二次元的なリンク。それをN902iSでは3次元的に、端末の『面』すべてをつなげてしまおう、という意図がある。顔と顔がつながる、ということからリンクフェイスというキーワードが生まれた」(倉本氏)

 N902iSのデザインがLink Face Designに決まるまでには、さまざまなアイデアやテーマが上がっていたと倉本氏。その中でも周囲に最も共感してもらえたのが、アークラインの進化型=Link Face Designというコンセプトだったという。

 Link Face Designでは、端末を開いたときに面と面がつながるのはもちろん、よりつながって見えるように配色も工夫されている。「多くの携帯電話は、本体の上側と下側でカラーや質感が異なっているが、それでは今回のリンクフェイスにフィットしない。あえて下側でも上側と同じ色を使い、さらに下側の途中から色分けすることで、“ここまでつながっている”ということを分かりやすく表現したかった」(倉本氏)

 Link Face Designをより効果的に見せるために、N902iSではカメラの位置を変更した。カメラを底面にレイアウトしたことが、“閉じたまますぐ撮れる”ダイレクトショットを生み出すきっかけにもなったという。

 ハイエンドFOMAには、実にさまざまな新機能が追加され、スマートなデザインを実現するのが難しくなっている。倉本氏はその苦労について、こうコメントしている。

 「面をつなげるというのは、実は非常に難しい。携帯電話にはバッテリーもあればアンテナもあり、普通に作ったのでは、こんなきれいな弧を描く端末は実現できない。当初“この形をやりたい”と提案したときに、設計チームは『いろいろなデバイスが入ってくる中で、この形はちょっと……。長年やってきて難しいことが分かっているはずなのに、なんでこんなこと要求するんだ』と(笑)。でも、『“N”のテーマ性を引き継いだ新しいデザインに挑戦したい』と話す中で高いハードルを乗り越えてくれた。リンクフェイスが実現できたことは設計チームのがんばりに尽きる」(倉本氏)

トレンドや遊びを意識しながら、デザインはシンプルに

 N902iSのボディカラーは、アイスシルバー、ラセットブラック、ジュエルピンク、ピスタッシュグリーンの4色。中でも目をひくのは、鮮やかなグリーンにかわいい象のプリントを施したピスタッシュグリーンだ。

 「“遊びゴコロのデザイン”が面白いのでは、と思って採用したのがピスタッシュグリーン。こういったカラーやパターンを面白いと思ってくれる人しか手にとってくれないかもしれない個性的なモデルだが、NECとしてはこういった面白さもデザインとして提案していきたい」(倉本氏)

Photo 一見なんでもない柄に見えて、近づくと実は秘密が隠されている──という面白さを盛り込んだ象のプリントは、水転写技術で実現している。「水転写は柄がぼやけてしまいがちだが、今回は新しい技術を開発したことで、くっきり、はっきり表示できた」(倉本氏)

 ほかのボディカラーにもそれぞれこだわりがある。「ラセットブラック」では、ダークな中にセクシーな雰囲気がある、ちょいワルな色気を表現したという。黒い塗料に赤い偏光パールを練り込んで出した色だ。

Photo 開発時は「あずきブラック」と呼んでいたというラセットブラック。地は黒だが、粒子状の小さな赤い光が輝くことで「茶色のような紫のような微妙な色」になっている

 「ジュエルピンク」はトレンドのゴージャス感を表現。外側は色味も抑えめだが、内側のセンターキー回りにオレンジがかったゴールドを使って華やかさを加えた。「アイスシルバー」はスタンダードな王道としてのシルバーを目指した。

 「ジュエルピンクのコンセプトは“甘くてゴージャス”。内側の華やかなカラーは、使う人が見て喜びを感じるもの、であることを意識した。アイスシルバーは、明るいシルバー、暗いシルバー、輝度の高いシルバーなど、微妙に異なる素材を使ってマンネリのシルバーにならないよう配慮した。トーンを微妙に変えるなど、よくよく見ると違いが分かる」(倉本氏)

Photo それぞれピスタッシュグリーン、ラセットブラック、ジュエルピンク、アイスシルバーのセンターキー周辺。ジュエルピンクのゴールドは、外側のシックなイメージとのギャップが新鮮だ
Photo 背面のFeliCaマーク周辺も、キラキラ光ったりハニカム模様だったりと、カラーごとに処理が異なる。ジュエルピンクはフチにラメをレイアウトして華やかに

Photo 内蔵の待受画像やニューロポインタのアイコンはカラーごとにデザインされ、「スタイルモード」で一括設定が可能。ピスタッシュグリーンのニューロポインタは象の形になっている
Photo 背面液晶に表示できる時計もこだわったところ。ドットの数で時刻を表現するユニークな時計もある。「0時0分では点が消えて真っ黒になり、1分後には点がひとつだけ表示される。確かに時間が分かりにくい点があるかもしれないが、NECとして“遊びの要素を忘れちゃいけない”という意識もある。見やすいデジタル時計も用意しているので、お好みに応じて設定してほしい」(モバイルターミナル事業部 商品企画部の杉原光明氏)

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提供:日本電気株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年7月23日

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