追い求めたのは“本物”の質感──素材ケータイ「SH902iS」&「DOLCE SL」シャープに聞く「SH902iS」&「DOLCE SL」(デザイン編)(1/2 ページ)

» 2006年06月15日 16時01分 公開
[園部修,ITmedia]

 5月30日に、902iSシリーズの先頭を切って発売された「SH902iS」と、今夏の発売を控えた「DOLCE SL」。この2つのシャープ製端末は、一方が902iSシリーズの最新モデル、もう一方は902iシリーズの企画端末という位置づけだが、内部は共通化されている部分も多く、姉妹モデルのような存在だ。

 SH902iSには902iSシリーズの、DOLCE SLには「DOLCE」の後継機としての特徴も備わっているため、これら2つのモデルは一見まったく別の製品のようにも思えるが、どちらも質感の高い金属や皮革素材を用いている点が共通している。「素材には徹底してこだわった」というシャープの開発陣に開発秘話を聞いた。

時間をかけて素材を吟味したDOLCE SL

Photo 通信システム事業本部デザインセンター係長の島津昌夫氏

 デザインおよび素材の選定などに関わった通信システム事業本部 デザインセンター 係長の島津昌夫氏は、「DOLCEの後継機を開発するにあたり、革の質感をどう表現するかという点を時間をかけて吟味した」という。人工皮革の製造元であるクラレと協力し、革の上質な質感が表現できる色、柄、表面の模様など、多数のサンプルを用いて1年近い時間をかけ比較検討したそうだ。中にはヒョウ柄の革やワニ皮のような風合いのものもあった。

 開発の過程では、さまざまな苦労があった。同じ皮革素材を使っていても、色によって成形時の変形や伸びなどの条件が変わり、一定の品質を確保するのが難しかったという。またDOLCE SLの皮革は樹脂と一体成型するため、あとで取り外したり交換したりすることができない。「毎日握るものであり、ときには落としたり、バッグの中でほかのものとぶつかったりすることを考えると、あまり柔らかい素材を使うわけにはいかない」と島津氏。そのためソフトな質感を持たせながら、ある程度の強度も確保しなくてはならないという難しいかじ取りが必要だった。

Photo 通信システム事業本部パーソナル通信第一事業部商品企画部副参事の榊原泉氏

 皮革の表面の模様は、DOLCEではうろこ状だったが、DOLCE SLでは高級感をより強く出すためクロス柄を選んだ。模様の谷(溝)の部分で山の部分と微妙に異なる色を用いる“谷染め”という技術を利用して深みを表現している。クロス柄はSH902iSのクロスラインにも通じる。

 ボディカラーとしてエクストラブラック、プレシャスレッド、エレガンスホワイトの3色を用意したのにも狙いがあった。エクストラブラックのみ、高級車の内装のような、水転写による木目をあしらったフレームを装備した。「エクストラブラックは、以前からDOLCEを使っていただいているエルダー層にきっちりとアピールするためのモデル」と商品企画を担当した通信システム事業本部 パーソナル通信第一事業部 商品企画部 副参事の榊原泉氏はいう。プレシャスレッドとエレガンスホワイトにはシルバーのフレームを装着し、従来のDOLCEユーザーよりもさらに若い層に選んでもらえるようなデザインに仕上げている。

PhotoPhoto DOLCE SLの背面パネルは、樹脂製のパネルと人工皮革を一体成型したもの
PhotoPhoto 革の模様はクロス柄で、立体感を出すため“谷染め”をしている。エクストラブラックの外周には玉木柄のフレームを装着している
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