一見、D902iを継承したデザインながら大きく進化したのが「D902iS」。カメラ機能は「D902i」(2005年12月7日の記事参照)を継承したものだが、ロータリー兼十字キーの「スピードセレクター」と手ブレ補正機能のおかげでちょっと面白くなっている。
まずは基本性能から。D902iと同じく富士写真フイルムのスーパーCCDハニカムを採用。CCD自体は有効200万画素だが、400万画素の画像を出力できるため「400万画素カメラ」と名乗る。CCD自体の構造(画素の並び)の関係で、400万画素の画像を作るため、無理に200万を400万に水増ししているわけではない。リアル400万画素に比べると甘いけれども、普通の200万画素CCDよりワンランク上という感じ。ちなみに902iシリーズではD、N、Fと3機種がこのCCDを採用していたが、902iSではDとNの2つに減っている。
D902iと同じく裏面にカメラが付いており、待受時にレンズカバーを開くと自動的にカメラモードになるという仕組みだ。ボディがスライド式で常にメインディスプレイが表を向いているので、そのまま横位置で持てばデジカメっぽく使える。側面にはシャッターボタンがあって半押しによるAFロックも可能だ。
ただワイド画面は「縦位置」が基本で、画像も「縦位置」で記録される。400万画素時はなんと「1738×2304」ピクセル。さらに待ち受け用のワイドサイズ(240×400ピクセル)や、VGAに縦長と横長がある(CCD自体は縦位置用に付いているので横長にするとトリミングされた絵になる)のが特徴だ。
そのため実際には普通に端末を縦に持って撮ることになるかと思う。その際は、ボディをスライドさせてテンキー部を出した方がいい。手で下を持つと親指がちょうどスピードセレクター&シャッターボタンの位置に素直にくるからだ。閉じたままだとどうしても不安定になる感じがある。
もう1つ、テンキー部を出すと「#」キーが使える。この「#」キーがマクロのオン/オフのショートカットになっているため、すぐに押せて便利なのである。
カメラの起動は2秒ちょっと。
写真のように液晶ディスプレイがワイドなので、画面下に表示される各種情報やメニューがプレビューを邪魔しないのがいい。
縦に持って撮ると、決定キーがシャッターで、AFロックだけを別途行いたいときは「発話」キーを使うことになる。前モデルのD902iではフォーカスロックキーがなかったので、これは大きな進歩といっていい。先にピントを合わせておくことができればシャッタータイミングも計れるし、中央以外の場所にピントを合わせるのも容易になるからだ。
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