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» 2006年06月22日 00時00分 公開

これが“ウォークマンケータイ”のアイデンティティ──開発陣が語る「W42S」 (2/3)

[後藤祥子,ITmedia]

ウォークマンケータイの象徴──シャトルキー

 その“ウォークマンケータイ”を象徴するデバイスが、シャトルキー。“音楽を聴きたい”と思ったその時に、ボタンを押すとすぐ音楽プレーヤーが起動して再生が始まる。待受時はもちろん、メールやWeb閲覧時でも、このボタンを押しさえすれば、すぐ音楽にアクセスできるというものだ。

 前後曲へのスキップやボリューム調整、早送りや早戻しも行えるなど、「何かしていても、“マルチタスクで音楽を聴ける”というところに着目して、ミュージックアイコンとしての専用デバイスを付けた」とGUIデザインを担当した入交氏は説明する。

Photo シャトルキーの周辺は、シルバーの素材を使った別体風にデザインされている。このデザインは、「楽器のフレームを意識したもの」だとコンセプトデザインおよびグラフィックを担当したリン氏

 このミュージックシャトルは、ウォークマン「NW-A607」などに付いているジョグレバーに似ているが、プロダクトデザインを担当した植田氏は「発想の原点は異なるものだ」という。

 「まず考えたのは、音楽を聴くときの楽しみは何か──ということ。それは例えば、オーディオ機器のボリューム用ツマミを触って操作する楽しみとか、弦楽器でいえばギターをチューニングするツマミとかだったりする。いろいろ見ていくと、スピーカーの丸い形状も含め、音楽には放射状に広がる円というモチーフがよく使われていることが分かった。そんな操作する楽しみと分かりやすさがポイントだ、というところで生まれたのがミュージックシャトルで、ウォークマンのツマミをそのまま持ってきたのではない」(植田氏)

 「音楽よりもまず最初にあったのは、音というコンセプト。音はどういう形なのか考えると、やはり直線ではなくて丸やウェーブみたいなもので、これが最初のキーワードになった。携帯と音楽を一体化させる中で、丸いシンボルがハードウェアにもGUIの中にも反映されるようにすれば面白いと思った」──こう話すのは、コンセプトデザインおよびグラフィックを担当したリン氏だ。

 ただミュージックシャトルを付けるだけで終わらないのがソニー・エリクソン端末らしいところ。ミュージックシャトルを長押しすると、まずシャトルの外周が光り、そのあとに決定キーが光る。そしてメインディスプレイに表示されたシャトルプレイヤーにLEDと同じ色のアニメーションが波打つように表示される演出を取り入れた。

Photo シャトルから決定キー、ディスプレイへと音楽が伝わっていくようなイメージを演出。「携帯ならではの効果」だと入交氏

 「せっかく大画面や光る決定キーというデバイスがあるのだから、イルミネーションとデバイスと大画面の連動を1つのテーマにできないかと思って取り入れた」(入交氏)。シャトルキーを押す指先から光を通してプレーヤーに音楽が伝わっていくかのようなユニークな表現も、ウォークマンケータイらしさの1つだという。「デバイスと光と音で音楽体験を提供する。ハードウェアとGUIの融合があってこそできた演出で、ここは一番進化した部分」(同)

“端末は横向き”がウォークマンケータイの音楽スタイル

 W42Sでは、音楽を楽しむ時には端末を横向きにすることを勧めている。その方がミュージックシャトルを操作しやすく、横長のワイド画面で音楽の情報を把握できるからだ。

 「画面を縦にすると、曲名の表示などが折り返し表示になってしまうが、横表示にすることでダイナミックなGUIを提供できる」(入交氏)

 これには賛否両論があったというが、初めてウォークマンロゴの携帯を国内に投入するにあたってのインパクトや使い勝手を考えて、“音楽は横向きスタイルで”と提案することに決めたという。

 「携帯電話の中には、端末を横にして構えて撮る“デジカメスタイル”を採用しているものがある。このスタイルには“本気でデジカメ的に使ってもらいたい”というインパクトがあり、実際、そのように使うユーザーも増えた。W42Sでは、“横向きにして音楽の世界に入り込む”というスタイルを確立するのが狙い。ミュージックシャトルからシャトルプレイヤーにつながるイルミネーションと色の演出も、横向きでこそ生きてくる」(植田氏)

聴いていると、何かが起こる──「シャトルプレイヤー」のビジュアライザー

 “音を楽しむ”ために用意されたのが、W42Sオリジナルの音楽プレーヤー「シャトルプレイヤー」のビジュアライザーだ。けっこういろいろな仕掛けが入っていると話すのはGUIデザインを担当した米田氏だ。「曲に合わせて色が変わったりLEDが変化したり。ドラマメニューの要素を引き継いでおり、長く使っていると、驚くような仕掛けも出てくる。音に対するビジュアライザー的な反応だけでなく、日時などいろいろな要素も引っ張ってきているので、ビジュアル面でも楽しんでほしい」(米田氏)

Photo 初期状態でセットされているビジュアライザー。ボディカラーやLEDに合わせた色だ
Photo “相当でかいヤツ”が出現するという海のビジュアライザー。音楽が進むにつれて水の量が増す
Photo 季節が変わると何か起こるかもしれないという花のビジュアライザー

 ビジュアライザーは、海や花などの5種類がプリセットされ、好みのものを設定できる。「花のビジュアライザーは音の大きさに合わせて枝の生え方が変わったり、種類が変わったり、季節が変わると何かあるかもしれない」(同)

 「“海の中にあれが出てくる”“相当でかいヤツ”というのも今回のビジュアライザーの見どころ。開発側からすると、これは長いこと親しみを持って見ていただいた方へのプレゼント。その中に法則性が見えてくると、“このときにこうなるんだな”と分かって、トクした気分にもなれる」(村松氏)

 なおディスプレイのバックライトは一定時間が経過するとオフになるが、ずっと見ていたいときはメールキーを押せばいい。


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