まず、できることを見ていこう。
そしてできないことは次の通りだ。
少々意外なのは、アラーム機能のある腕時計でありながら、音を発する機能が搭載されない点。これはi:VIRTが、携帯電話のマナーモードと併用して、静かな環境下で使うことを目指した商品だからだ。また、腕に振動を伝える振動モーターは、その動作の様子をのぞき窓から見ることができる。ここには白色LEDが組み合わせられ、光の点滅表示で視覚的に着信を通知する。
メール着信表示については、本機が利用するハンズフリーのプロファイルに、こうした情報が入っていないことから見送られた。今後、Bluetooth SIGがプロファイルを認定し、携帯電話側に実装されれば、技術的には早期に実現できそうだ。
携帯電話のヘビーユーザーが今回のi:VIRTを見ると、できることが少ない印象を受けるかもしれない。しかしこれは、現在利用できる技術を使って商品化したことに意味があるといえるだろう。これからi:VIRTは、どのように進化(もしくは変化)していくのだろうか。
「携帯電話のサブ液晶で実現する機能のすべてではありませんが、重要なものは腕時計に表示させたいと考えています。特に、NTTドコモのiチャネルのような、携帯電話に対するプッシュ情報が腕時計に表示できたら便利でしょう。町を歩きながら地域情報が配信されたとき、腕に付けているならすぐに確認できるので、せっかく携帯が自動で入手した情報が“通り過ぎる”ことがなくなります」
これからも携帯電話をゲートウェイとして、ともに進化し続けるというスタンスは変わらないようだ。そしてゲートウェイの役割を持たせるのは、PCでもかまわないという。「Bluetooth搭載のPCが普及すれば、PCとの連携も視野に入ります。現在は、Bluetooth搭載の携帯電話が徐々に増えてきているという段階です」。この“徐々に増えている”Bluetooth携帯の数が、i:VIRTの生命線を左右することになるようだ。
同社に入る問い合わせのうち「私の携帯電話で使えますか?」という質問が実に多いのだという。Bluetooth搭載機が決して“普及している”とはいえない現状で、i:VIRTの善戦を願うのは、開発メーカーばかりではなさそうだ。
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