Apple、“衛星経由のメッセージ”を日本で利用可能に iPhone 14以降とApple Watch Ultra 3が対象

» 2025年12月09日 07時50分 公開
[金子麟太郎ITmedia]

 圏外の場所でも家族や友人との連絡手段を確保できる仕組みとして、iPhone 14以降とApple Watch Ultra 3が新たに衛星経由のメッセージ機能に対応した。提供開始は日本国内のユーザーを対象としており、対応端末が圏外エリアに位置していても、iMessageやSMSを通じて基本的なやりとりが可能になる点が大きな特徴になっている。

iPhone AppleWatch 衛星 iPhone 14以降とApple Watch Ultra 3が新たに衛星経由のメッセージ機能に対応した

 従来、衛星通信は特殊な端末を必要とし、日常的な利用には向かなかった。しかし、今回の機能提供によって、一般的なスマートフォンとスマートウォッチから直接衛星に接続できる環境が整い、登山やキャンプ、沿岸部、災害時に電波が遮断されたエリアなどでの通信手段として現実的な選択肢になった。

 ユーザーがメッセージを送ろうとした際、携帯電話通信やWi-Fiが利用できない場合には、端末が自動的に衛星接続を促す。iPhoneではロック画面やメッセージアプリの案内から接続操作に進む仕組みで、Apple Watch Ultra 3では画面上に接続の案内が表示される。衛星への接続中は、Dynamic Islandに通信強度の表示が現れ、受信状態が弱い場合には、衛星との位置関係を改善するために端末をどちらへ向けるべきかを指示する。

 接続が確立すると、iMessageやSMSでのテキスト送受信に対応する。絵文字やTapbackも利用でき、従来のメッセージ環境をできる限りそのまま衛星通信に近づけた仕様になっている。また、衛星経由で送信されるiMessageは、通常と同じようにエンドツーエンドで暗号化される点も明らかにされており、機密性を要するやりとりでも安心して利用できる。

 新機能の利用に不安を抱えるユーザー向けに、端末内には衛星接続を試すためのデモ機能も搭載される。これにより、どの程度の時間で接続できるのか、どの姿勢で端末を持つべきかなど、実際の利用手順を事前に体験できるようになった。

緊急SOSや「探す」との連携が強化

 今回の機能は、すでに国内で利用されている衛星経由の緊急SOSや位置共有機能との連携を前提に設計されている。衛星経由の緊急SOSは、圏外で遭難した際に、災害や事故の状況をテキストで通報できる仕組みで、ユーザーは緊急通報サービスへの連絡や、あらかじめ設定した緊急連絡先への通知を行える。一方、衛星経由の「探す」は、仲間の位置情報を共有できる機能で、例えば山岳地域でグループが離れた際の居場所把握などに役立つ。

 今回加わる衛星経由のメッセージは、これらの仕組みを補完する役割を担う。緊急事態ではなくても、圏外での「無事」の報告や、行動予定の共有など、日常的な連絡手段として使える点が強調されている。

iPhone AppleWatch 衛星 衛星経由のメッセージは、ユーザーが携帯電話通信やWi-Fiの圏外にいる時でも家族や友人とつながり続けるために役立つ(画像=左)。ユーザーが携帯電話通信やWi-Fiの圏外でメッセージを送信しようとすると、衛星経由のメッセージが自動的に、最も近い衛星に接続するように促し、iPhoneのロック画面またはメッセージアプリからすぐに接続できる(画像=右)
iPhone AppleWatch 衛星 ユーザーが携帯電話通信やWi-Fiの圏外でメッセージを送信しようとすると、衛星経由のメッセージが自動的に、最も近い衛星に接続するように促す

提供条件と無料期間

 衛星経由のメッセージは、iOS 18以降を搭載したiPhone 14以降と、watchOS 26以降を搭載したApple Watch Ultra 3のユーザーが対象になる。衛星通信機能はアクティベーション後2年間は無料で提供されるが、機種やアクティベーションの時期によって無料期間が異なる点も示されている。

 iPhone 14以降のユーザーで、2024年7月30日に衛星経由の緊急SOSが日本で提供される前に端末をアクティベーションした場合は、提供開始日時から無料期間が始まっている。また、iPhone 14およびiPhone 15を2025年9月9日の日本時間16時より前にアクティベーションしたユーザーには、無料期間がさらに1年追加される。

 一方で、衛星経由のSMSメッセージについては通信事業者側の対応状況に依存するため、利用には契約プランが必要になる。Apple Watch Ultra 3からSMSを送受信する場合は、ペアリングされたiPhoneが電源オンで、Wi-Fiまたはモバイルネットワークに接続されている必要があるが、物理的に近くに置く必要はない。

 衛星通信のバックエンドはGlobalstarとその関連会社が担当しており、接続や応答にかかる時間は、地域の環境条件や衛星の位置によって変化する。

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