「MNP、劇的な流動はない」──“店員接客コンテスト”で見せるドコモの自信ドコモショップ応対コンテスト2006(2/2 ページ)

» 2006年09月26日 21時51分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
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 厳正な審査のうえ最優秀賞に輝いたのは、山梨支店代表のドコモショップ甲府中央店 渡辺美里さん。「ドコモは料金が高い」と感じ、auへの乗り換えを考える客に対し、何のために来店したのか・何に不満を感じているのかなどのニーズを即座に見極め、的確にその話題にフォーカスした接客を行った。

 例えば客が“高いから”と述べたからといって、接客側もそれに相づちを打ってしまえば自社のサービスの悪さを認めることになってしまう。そのため「〜と“感じて”いるわけですね」という表現を用いたり、都度、肯定の意志決定を求める“クロージング”という手法を巧みに活用し、押しつける売り込みとは感じさせない自社サービスの提案を行っていたと、特別審査員の日本能率協会マネジメントセンター講師 馬場成一氏は評価した。

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photophoto 最優秀賞に輝いたドコモショップ甲府中央店の渡辺美里さん。有名人と同姓同名であることも客に名前を覚えてもらいやすく、接客としてはいい方向に働いた

 優秀賞は、新宿支店代表のドコモショップ鷺ノ宮駅前店 服部恵美さんと新潟支店代表のドコモショップ新潟店 伊藤桂子さんの2人が輝いた。

 服部さんのロールプレイ設定は、ボーダフォンの割り引きサービス「LOVE定額」に魅力を感じる遠距離恋愛中の現ドコモユーザー。こちらもやはり“大幅に料金を安くしたい”というニーズを持った客だった。安心感を与える接客印象のほか、客のニーズを巧みに引き出し、情報が取れたら1つずつ客に納得させる“クロージング”の技術も優れていた。

 伊藤さんのロールプレイ設定も最優秀賞の渡辺さんと同じく、金額に不満を持ち、auへの乗り換えを考える長期契約のおじさんドコモユーザー。「高いと人から言われて」と先入観を持つ客に対し、改めて客の使用状況やニーズを聞き出し、適切なプランを提案。ムラなく的確な応対とともに、聞き取りやすい声も相まって評価につながった。

photophoto 優秀賞に輝いたドコモショップ鷺ノ宮駅前店の服部恵美さん
photophoto 同じくドコモショップ新潟店の伊藤桂子さん

 ドコモショップスタッフ特別賞は、男性で唯一、長野支店代表のドコモショップ佐久平店 岩崎晃さんが選ばれた。他社サービスと比較すると対応していない・一部劣るものも中にはある。しかしそれを「使えません/対応していません」と否定形で表現するのではなく「これこれであれば、結果的には〜できます」と豊富な商品知識を武器に、メリハリと説得力のある接客を行った。「できる/できないの使い分けで与える印象は大きく異なってくる」(馬場氏)とその会話力の高さが評価につながった。

photophoto ドコモショップスタッフ特別賞を受賞したドコモショップ佐久平店の岩崎晃さん


 ユーザーが直に接する“キャリアの顔”。店頭スタッフの接客態度は、端末やサービス、料金プランに加えて、ユーザーに対する重要なアピールポイントだ。

 KDDIはテレビCMなどでも顧客満足度の高さを強くアピールするが、ドコモも、加藤あいさんとドコモダケが対決するサービスPRのための告知のほか、最近、店頭スタッフ「モモコ」をフィーチャーするテレビCMなども放映し始めた。

 店頭スタッフは自社だけでなく、他社製品やサービスも当然研究・内容を把握し、ユーザーひとりひとりに適切な製品・料金プラン・割引サービスを提案できなければならない。それができなければユーザーは簡単に転出してしまい、転入見込みのユーザーも逃す。

 顧客満足度──携帯各社はもちろん、これまでもおざなりにしてきたわけではないだろうが、今後もいっそう、この“自社のファンにさせる”ことへの重要度が増してくる。番号ポータビリティ制度に関し、携帯に対して「なにか不満を感じている/疑問がある」と少なからず思ったことのあるユーザーは、自分の契約するキャリアのショップだけでなく他キャリアのショップにも訪れて各々を相対的に比較してみるのもよい方法の1つではないだろうか。

 一過性のイベントではなく、今後、永続的に続く“番号ポータビリティ”という制度。ドコモは顧客満足度のさらなる向上も含め、将来を見据えた“総合力”を武器に今後の携帯戦争に挑む。

photo コンテスト出場者19名と大会委員長のNTTドコモ取締役執行役員営業本部長 熊谷文也氏(前列左から3人目)、同販売部長 須藤章二氏(前列右から2人目)
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