台湾HTC(High Tech Computer)製の「X01HT」は、Windows Mobile 5.0を搭載したPDAタイプのHSDPA端末で、スライド式のQWERTYキーボードを使えば、PCライクなスタイルで文字入力を行えるのが特徴。約2.8インチのQVGA液晶はタッチパネルで、付属のスタイラスでも操作できる。
10月中旬以降の発売予定で、ボディカラーはブラック。価格は未定だが「W-ZERO3を意識した値段にならざるを得ない」(ボーダフォン)としている。
ドコモが法人向けに販売しているHTC製端末「hTc z」(7月18日の記事参照)とハードウェア的にはほぼ同じだが、X01HTは個人向けに販売されるほか、いくつか異なる点がある(後述)。
HSDPA準拠の「3Gハイスピード」に対応しているほか、IEEE802.11b/g準拠の無線LAN機能も備え、公衆無線LANサービスでのインターネットアクセスにも対応。ほかにもBluetoothや赤外線、miniUSB、microSDスロットなどを装備している。
HSDPAのエリア内ではHSDPAで通信を行う。HSDPAとW-CDMAの切り替えは自動で行われ、ユーザーが能動的に設定を行ったり、切り替えたりする必要はない。W-CDMAで接続しているか、HSDPAで接続しているかを確認する手段はないという。どちらで接続している場合でも、アイコンは「3G」と表示される(写真)。
なお、同じHSDPA対応のCF型データカード「C01SI」では下り最大3.6Mbpsの速度が出るのに対し、X01HTのデータ通信速度は、下り最大1.8Mbpsしか出ない。ソフトバンク広報部ではその理由について「端末上の理由」と説明している。またHSDPAのエリアについては「現在調整中なので、どこがエリアになるかは申し上げられない」(ソフトバンク広報部)としている。
ハードウェア的にはほとんど、X01HTとhTc Zは同じだが、発話ボタンの上にテレビ電話ボタンがある点や、メモボタンの印字が異なる点などが異なる。
X01HTでは、Windows Mobileに準ずる標準的なアプリが入っている。メールソフトは「Pocket Outlook」、Webブラウザは「Internet Explorer」、日本語入力システムは「MS-IME」といった具合だ。
Windows Mobileのバージョンは、MSFP(Messaging and Security Feature Pack)(6月6日の記事参照)に対応した最新版のWindows Mobile 5.0 Pocket PC Phone Editionとなっている(3月20日の記事参照)。MSFP対応版の大きな特徴は、「Exchange Server 2003 SP2」と組み合わせて、PC用メールをプッシュでダイレクト受信できる点にあるが、X01HTはExchangeメールをプッシュで受信することはできない。ボーダフォンでは「将来的には、Exchange Serverとの連携にも対応予定」としている。
上述の通り「Y!」ボタンは装備しておらず、Yahoo!のポータルサイトにワンタッチで接続するサービス「Yahoo!ケータイ」には対応していない。インターネットの利用にあたっては、月額315円の「S!ベーシックパック」に登録する必要がある。
X01HTの発売に合わせて、ユーザーのパケット利用量に合わせて請求額が変わる「デュアルパケット定額プラン」(2005年4月20日の記事参照)が改定される。X01HTでパケット通信を利用した場合は、月額1万290円の上限額で、定額利用が可能になる。なお2007年1月までは、上限額を5985円で利用できるキャンペーンを実施する。
なお、X01HTではS!メール(携帯メールとして受信できる、@softbank.ne.jpおよび@x.vodafone.ne.jpのメール、7月13日の記事参照)を受信できない。
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