W41Hは、横置きにすると日立の液晶/プラズマテレビ「Wooo」を想像させる個性的でテレビライクなデザインだ。そのメカっぽい造形と、黒と白のモノトーンというカラーバリエーションから、男性ユーザーを意識した印象がある。今回のW43Hは、はなやかさを強く打ち出していて、女性ユーザーを狙ったデザインにも見える。
「今回は女性をかなり意識しています。端末のデザインやカラーリングも女性的な雰囲気にしました。女性に手にとってもらえるサイズですし、女性にもテレビをケータイで見るという文化が普及してほしいという思いもあります」(高田氏)
カラーバリエーションは、ミスティックバイオレット、センシアルブルー、メローホワイトの3色。同社がユーザーに対して行った調査では、ホワイトは女性寄りで、ブルーは男性寄り、ミスティックバイオレットはどちらの支持も得る中庸な結果になったという。
「W43Hは、かなり特徴のあるカラーバリエーションを用意したことに加え、ダブルインジェクションモールドによって見る角度や、照明によってまったく違う印象になります。見るたびに、ここまで印象が変わる携帯は珍しいのではないでしょうか。家族みんなが同じ携帯を持つのってちょっとイヤですが、W43Hならそれができると思います」(寺本氏)
W43Hのデザインのハイライトはダブルインジェクションモールドだけではない。色の表現方法にも3色でそれぞれ異なった手法が使われている。メローホワイトは表面がマットなフロストガラス調、センシアルブルーは樹脂そのものに透明感のある色が付いている。そして、ミスティックバイオレットは光の加減で色が変化する塗料「マジョーラ」を採用した。
「普通は不透明の樹脂の上にベタッと塗るのですが、今回は透明層の上に薄く吹いています。そのため粒子の細かさではなく、濃度の調整を行っています。濃度は微妙なところを取っていて、下地の茶色い樹脂がそのまま見えてくるときと、表面のメタリック層が“バンッ”と見えてくるときがあるのですが、こうした2つの変化が濃度調整でちゃんと見えてくるんですね。この面白さが出てよかったです」(高田氏)
マジョーラはクルマのカスタムペイントに用いられることが多いが、1台の塗料代だけで40〜50万もするという高価なものだ。そのため、携帯電話メーカーとして採用するのには度胸がいったという。W43Hのミスティックバイオレットでは、影になると紫、光が当たると金色に変化するカラーを採用した。また、多くの人がイメージするマジョーラの輝きはクルマのペイントのもので、大きさも使用する環境も違う携帯電話に使っても同じイメージにはならない。そのため、携帯向けにチューニングを施した塗料を用いているという。
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